ToY.(数学)

数学徒。 誤植、間違いがあれば教えてください。 あと、いないとは思いますがもし私の記事…

ToY.(数学)

数学徒。 誤植、間違いがあれば教えてください。 あと、いないとは思いますがもし私の記事を何かしらの形で引用したい場合は、引用する記事のコメントに一言いただけると嬉しいです。

最近の記事

群の作用

※随所適当な議論をしているかもしれません。ご了承ください 1.定義定義 群$${G}$$、集合$${X}$$に対し、$${G}$$の$${X}$$への作用とは次の2つを満たす写像$${G\times X\rightarrow X : (g,x)\mapsto g\cdot x}$$のことである: (1)$${G}$$の単位元$${e}$$と任意の$${X}$$の元$${x}$$に対し、$${e\cdot x=x}$$が成り立つ (2)$${\forall g,h\in G}

    • 群準同型じゃない

      ※タイトルは適当になんとなくつけました🙇 問 $${p}$$を2以上の整数とし、$${\mathbb{Z}/p \mathbb{Z}}$$、$${\mathbb{Z}}$$をそれぞれ加法で定義された群とする。この時、$${\mathbb{Z}/p \mathbb{Z}}$$から$${\mathbb{Z}}$$への単射準同型は存在しないことを示せ。 証明 背理法で示す。 つまり、単射な群準同型$${\varphi :\mathbb{Z}/p \mathbb{Z} \righ

      • 数列4(数学的帰納法)

        書き間違いがあったらコメントにてお願いします。 1.帰納法とは・帰納法とは、具体的な例から抽象的な性質を導く論理的な手法である。 ・たとえば、「とちおとめは赤い」「紅ほっぺは赤い」「あまおうは赤い」…から「いちごは赤い」という結論を導くのが帰納法である。 ・これは身近な言葉でいえば「経験則」である。 ・だが、帰納法には大きな欠点があり、それは導かれた性質は100%正しいとは限らないということだ。 ・いちごの例でいうと、「(具体的な品種)は赤い」から「いちごは赤い」と

        • 数列3(数列の和、Σ、階差数列)

          誤植があったらコメントにお願いします。 0.前回まで1.今回紹介する公式一覧・この記事では下の公式の導出を行っていくが、公式自体は入試までは暗記しておいて損はない。 2.数列の和2.1.言葉の定義 ・数列$${\{a_n\}}$$の第$${l}$$項から第$${m}$$項までの和を$${\displaystyle\sum_{k=l}^{m} a_k}$$や$${\displaystyle\sum_{i=l}^{m} a_i}$$と表す。 ・このとき$${k}$$や$$

          数列2(すこし複雑な漸化式)

          ※これは高校で習う数列の分野をまとめなおした記事の2つめです。 ※誤植がありましたらコメントお願いいたします。 0.前回1.もう少し複雑な漸化式1.1.3項間漸化式 ・漸化式$${a_{n+2}=ca_{n+1}+da_n\cdots (1)}$$の一般項を考える。 ・まずこの漸化式を$${a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta (a_{n+1}-\alpha a_n)\cdots(2)}$$の形にしたい。 ・$${(2)}$$を計算すると、$${a_

          数列2(すこし複雑な漸化式)

          柔らかい幾何学1(オイラー数、オイラーの公式)

          ※この記事はあまり厳密な議論をしないようにします。 0.はじめに・下の三角形1つからなる平面グラフについて考えてみよう。これの頂点の数は3つ、辺の数は3つ、領域の数は2つである。(今回はグラフの外側の領域もカウントすることにする) ・さて、この平面グラフに次のように点と辺を付け足して2つの三角形からなる平面グラフを作る。この平面グラフの頂点の数は4個、辺の数は5個、領域の数は3個となる。 ・一見すると、先ほどの平面グラフとこの平面グラフの共通点はないように見えるが、実は

          柔らかい幾何学1(オイラー数、オイラーの公式)

          数列1(等差・等比数列、漸化式)

          ・この記事は高校で習う数列に関するまとめ直しである。 ・誤植等がありましたら、コメントで教えてください。 1.1.言葉の定義とか・数列とは文字通り数の列である。 ・有限個からなる数列を有限数列という。例)1,2,3 ・無限個からなる数列を無限数列という。例)1,2,3,・・・ 以下、「数列」というときは無限数列とする。 ・ある数列に対し、先頭から$${m}$$番目の数を第$${\bm{m}}$$項とよんで、$${\bm{a_m}}$$や$${\bm{x_m}}$$とか

          数列1(等差・等比数列、漸化式)

          2次元版の立体射影1(メモ書き程度)

          ※この記事は今後、2次元版の立体射影を考えるときの自分用のメモ的な感じである。したがって、読みずらいかもしれない。 記号の定義 ・$${S^1}$$:単位円の円周。つまり$${ \{(x,y)\in \mathbb{R} ^2 | x^2+y^2=1\} }$$ ・$${N}$$:点$${(0,1)}$$。北極点(North Pole)と呼ぶこともある。 ・$${S^1 \backslash \{N\} }$$:$${S^1}$$から点$${N}$$を取り除いた曲線。 今

          2次元版の立体射影1(メモ書き程度)

          環論入門part2 イデアル、部分環、整域

          ※part3を投稿するかどうかはわかりません ※前回の記事はこちら ※間違いがあれば教えてください 2.1.定義この節では、イデアル、部分環、整域の定義を一気に述べる。これらの定義はすこし似ているため、それぞれを比較しながら学習してほしい。 ※前回の記事でも述べたが、環Rは零環でないとする 定義1 集合Rは演算+と×に関して環をなしているとする。+に関してアーベル群であり、かつ×で交換法則が成り立つとき、Rを可換環という。 定義2(イデアル) ①環Rとその部分集合Iに

          環論入門part2 イデアル、部分環、整域

          環論入門part1.1 環の例

          ※この記事は環論入門part1の補足的な内容です。 ※間違いがあれば教えてください 1.3.整数環命題1 整数全体からなる集合をℤとすると、これは足し算+と掛け算×に関して環をなす。 (証明はほぼ明らかなため省略する) Rem 命題1のℤを有理整数環とよぶ。 命題2 集合ℤ[√-1]:={a+bi|a,b∈ℤ}⊂ℂは足し算+と掛け算×に関して環をなす。 (こちらも証明は省略する) Rem 命題2のℤ[√-1]をガウス整数環と呼ぶ。 1.4.多項式環定義1 ・非負

          環論入門part1.1 環の例

          環論入門part1 環の定義と零環

          ※part2を投稿するかどうかはわかりません ※間違いがあれば教えてください。 ※群論入門シリーズで定義された概念等は既知であるとします 1.1.環の定義定義1 集合RとR上の閉じた演算+,×に対し、以下の条件が成り立つときRを環と呼ぶ。 (i)Rは+に関してアーベル群である。 (ii)Rは×に関して結合法則が成り立つ。 (iii)R上の任意の元rに対し、r×1=1×r=rを満たす1∈Rが存在する。 (この1を×の単位元と呼ぶ) (iv)Rは+,×に関して分配法則が成り立

          環論入門part1 環の定義と零環

          【有料】群論入門part10の問1の解答

          ※誤植、間違いがあれば教えてください 問1 Ker(π◦φ)=φ⁻¹(Kerπ) 解答   Ker(π◦φ) ={g∈G|(π◦φ)(g)=H'} ={g∈G|(π(φ(g))=H'}

          ¥100

          【有料】群論入門part10の問1の解答

          ¥100

          【有料】群論入門part9の問1の解答

          ※誤植、間違いがあれば教えてください 問1 Tの位数は2, Rₙの位数はnである。 ※Tの位数を求めるのはとても簡単であるため、省略する 解答(Rₙの場合のみ) 次の等式を示せばよい;

          ¥100

          【有料】群論入門part9の問1の解答

          ¥100

          群論入門part10 準同型定理・同型定理

          ※part11は投稿しません。群論入門シリーズはpart10で終わりです。 ※前回の記事はこちら ※いつか追記します ※正規部分群や準同型・同型といった、過去の記事で扱った概念は既知であるとする。 10.1.準同型定理定理1(準同型定理) 2つの群G, G'と準同型φ:G→G'に対し、G/Kerφ≅Imφが成り立つ。 定理1を証明するために次の補題を考える。 補題1 写像ψ:G/Kerφ→G'を次のように定める; N=Kerφとし、gN∈G/Nに対してψ(gN)=φ(

          群論入門part10 準同型定理・同型定理

          群論入門part9.1 内部同型

          ※part9の続きです ※誤植、間違いがあれば教えてください ※以降、群論入門part0~9までの内容は既知であるとして話を進めます 9.3.内部同型定義1 群Gに対し、GからGへの同型写像をGの内部同型という。また、Gの内部同型全体の集合をAutGと書く。 命題1 AutGは写像の合成◦に関して群をなす。 証明 (◦は閉じた演算) φ,ψ∈AutGに対し、φ◦ψ:G→Gは全単射な準同型となるためφ◦ψ∈AutGが成り立つ。すなわち写像の合成◦はAutGについて閉じた

          群論入門part9.1 内部同型

          13日の金曜日が無い年【数学】

          前月の13日は金曜日だった。筆者はホラー系は得意ではないため詳細は知らないが、13日の金曜日には何かしらあるらしい。 ここで筆者は思った。13日の金曜日が無い年はあるのだろうか、と。 そしてそれを疑問に思ってから早2,3週間が経った。単に計算するのが面倒くさかったからだ。 それはさておき、結論から先にいうと、13日の金曜日が無い年など無い! 以下にその証明を記す。ちなみに、この記事は昨日投稿した記事の続編という扱いである。そのため、昨日の記事で用いた前提や証明した事実

          13日の金曜日が無い年【数学】