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旦那が癌になった
“家族は第二の患者”
癌患者の家族は“第二の患者”と呼ばれるほど
癌になった本人くらい辛い、
または本人よりも辛いと言われる。
そうは言われるが、
患者のように心のケアや体調のケアはしてもらえない。
ただ、そう呼ばれている(というのを一部の人が知っている)だけ。
その世でいう“第二の患者”になった私の心境や暮らしを
記録していきます。
旦那の癌が発覚したのは今年5月。
発覚するまでの1〜2ヶ月、
高熱を出したり喉が痛いと言っていたり
体調不良がずっと続いていた。
近所の耳鼻咽喉科を受診していたが、
これ以上この病院では原因が分からないと
大学病院の紹介状を書いてもらった。
このとき、耳鼻咽喉科の医者からは
「細菌が入っているか、できものができているか、“腫瘍”」
と言われたそう。
紹介された大学病院で
CT検査や生体検査(がんの疑いのある部分の一部切除して検査する)などを行ったのが
体調不良から1ヶ月ほど経ったころ。
検査の翌週に2人で結果を聞きに行った。
家から一番近い大学病院で、
精算システムなどは最新だけど建物は古めかしい。
診察室に呼び出された旦那はまず1人で結果を聞きに行き、
その後、私も旦那に呼び出され診察室へ。
若い男性の医者が
「私は深刻な顔をしてますよ〜」という顔をしている。
「残念ながら、中咽頭癌という癌が見つかりました」
CT検査結果や写真を見せられ
残念ながらp16は陰性だとか、遠隔転移は無いだろうだとか
言われたが、そんなこと言われてもよく分からん。
とにかく残念な結果らしいことは分かった。
とにかく癌が見つかり、
最新のロボット手術ができる病院を紹介すると
また新たに大学病院を紹介された。
その病院を紹介された日が休診日であったため
予約も取れずなんだかんだで初診は2週間後とかだっただろうか。
その間、この先どんな治療をするのか、
ステージはいくつなのか、
死ぬのか生きれるのか、何も分からない。
Kindle読み放題にある
癌に関する本は3冊ほど読みある程度の知識をつけた。
そして紹介先の病院でいろいろな検査をしたらしい。
PET CT検査、血液検査、胃カメラなどなど。
検査だけで数万円は飛んでいったらしい。
また、検査結果は2人で聞きに行った。
「ステージⅣのaです」
ある程度癌について勉強していたこともあり、
大袈裟にショックは受けなかった。
ステージⅣが末期じゃない。
腫瘍の大きさ、転移の有無など定量的な判断に過ぎない。
ここの病院では丁寧に
どのくらい進行しているか、
転移しているか、
治るのか、
治療の選択肢など
じっくり時間を取って教えてくれた。
重い病気なので、丁寧に伝えてくれるのだろう。
質問はありますかと聞かれたけど
だいたい知っていることだったので特にしなかった。
「やっぱり標準治療を勧めてくれるんだな」とか
「“余命”、“緩和治療”と言われないから治るんだ」とか
結構気持ちに余裕がある状態で聞いていたと思う。
これからの生活について
あまり予測できていなかったのもある。
治療費は大金になるだろうから、
今から足掻いてもどうせ借金をすることになるだろう。
もうなるようになってしまえと諦めていたのもある。
治療方針については
時間をもらったので診察室を出て私たち夫婦で話し合った。
ロボット手術ができる大学病院を紹介してもらったが、
結局転移しているリンパ節の場所的に
ロボット手術ができないとのことで
提示された治療方法はこの2つだった。
・12時間を要する手術(入院期間1ヶ月)
・2ヶ月間の抗がん剤治療+放射線治療(抗がん剤治療中は点滴のため入院)
私たちは後者の抗がん剤+放射線治療を選択した。
これからその他いろいろな検査をして、
2〜3週間後に治療と入院がスタートした。