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■「ヒエラルキー分業」から対等共食へ転換を急げ!“リアル循環の変異の閾値”の調整弁たる不均衡動学(社会的共通資本のヒュレー)の基本ツール、数学の「本来性と言語性」の活用は「リアリズム倫理」の良循環をもたらす!(4/4)

4  リアリズム倫理に関連する宇沢弘文の「社会的共通資本と不均衡動学」は、これからも一層探求すべき重要テーマとなる!

 結局、上で見てきたとおりであるが、不均衡動学理論と不均衡進化論は、それぞれのフィールドは全く異なるが、両者は『変異の閾値』の問題を共有していることが理解できる

無論、<不均衡進化『変異の閾値』に学び不均衡動学(経済)でも、投資効率を高めるため"積極操作的"にリアル経済へ諸政策を総動員せよ!>などと戯けたことを主張している訳ではない。当然、"操作・実践"のための処方(数学・統計を駆使する数理経済学、つまり動学経済論)である前者と、分子生物学の"観測"知である後者は全く対象となる次元が異なる問題である

しかし、例えばこの両分野に共通する問題として特に注目すべきことがある。それは発生学の応用分野であるゲノム編集技術が実践面で暴走しっつある現況に関する恐るべき問題である。なぜなら、市場原理主義一色に染まる現代の政治経済の下においては、方や「リアリズム倫理と人道」の両面の観点からすれば、此の問題が両者に深く関わる典型的な『変異の閾値』マターとして立ち上がってくるからだ(↓★/関連後述)。

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 ★【2019ノーベル賞解説】「”人格、知能j、芸術・運動能力など理想のヒトのデザインのため遺伝子を自由自在に改変できるゲノム編集技術”:クリスパー・キャス9」って何?新型コロナにも有効?/安全性確保に課題 標的とは異なる突然変異 標的近くで欠損・再編成20201008日刊工業新聞、https://www.mitsubishielectric.co.jp/business/biz-t/contents/newswitch-column/column018.html 

以下に、これら両者の『変異の閾値』の在処を具体的に押さえ、それを有効に活かすためのポイントを纏めておく。 

・不均衡動学(宇沢弘文/経済動学)

・・・ゼロサム「赤の女王」へ対峙が可能な『変異の閾値』の同定&操作(数理経済的、リアリズム倫理的な政治・経済の選択)=一強ヒエラルキー分業、ネポティズムならぬ多数派層との対等な「共食」の基盤となる生命エネルギー通貨(ベーシックインカム)を『変異の閾値』(上下限の限界判定と選択)の範囲と見なすことに関わる動学的な判定と操作が必然/故に「数学の本来性と言語性」の適切な活用が最重要!

 ・不均衡進化論(古沢 満/分子生物学)

・・・ゼロサム「赤の女王」へ対峙が可能な『変異の閾値』の研究(オミクス論的な探求)のみならずDNAの98%を占める「偽遺伝子/Pseudogene https://bookpass.auone.jp/review/?iid=LT000086115000709392 」(DNAのみならず、一見では"ただ存在するためだけで全く不要に見える"対等な共食or寄生的な個体内の存在がウイルスでも発見されている!/↓♨)に関わる「発現制御・持続性安全保障」等の更なる研究からリアリズム倫理的な政治・経済の選択の方向性を探り「ゲノム編集技術」等の暴走へ歯止めをかけることも必然と見え始めている!

♨ 哺乳類の胎盤形成には内在性("共食or共存or寄生"関係?)のレトロ・ウイルスが関与していた!/今川和彦(東大大学院農学生命科学研究科・教授)https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20151005-1.html

・・・(関連動画)NHKヒューマニエンス:ウイルスは進化の原動力-哺乳類(の胎盤)はウイルスの力で誕生した

 

(エピローグ) カズオ・イシグロの新作、『クララとお日様』(早川書房)が示唆する<社会的共通資本の認識不分離性>の問題(クララは未読なので、殆どが妄想レベル!/苦w)

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 ノーベル文学賞受賞第一作!  カズオ・イシグロ最新長篇 『クララとお日さま』2021年3月刊! (2020/06/16)

・・・実に6年ぶりとなる新作の主人公はクララという人工フレンド(Artificial Friend)、つまり子供の遊び相手として製造された人工知能搭載ロボットです。ある少女の家に買われていったクララは、献身的に少女に尽くしますが、一家には大きな秘密が……。2021年秋に著者の来日を予定しています。/子供の愛玩用に開発された人工フレンドのクララ。好奇心旺盛で店のウィンドウから外の世界を観察するのが大好きだ。ある少女の家庭に買われていったクララは、やがて一家の大きな秘密を知ることに……愛とは、知性とは、家族とは? 根源的な問いに迫る感動作:以上、早川書房HPより部分転載。https://www.hayakawa-online.co.jp/new/2020-06-16-220515.html

・・・(関連)水のイマージュ2/正確には市場原理に呑み込まれた技術革新の不安と未来では?それは、そもそもヒトにとっては市場の「外側」で作用するものこそが<損得>風味の「向上処理」などより遥かに大切だから! →イシグロさん新作、技術革新の不安と未来 ノーベル賞後初、6年ぶり303朝日 https://twitter.com/tadanoossan2/status/1368818627273662466

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 「宇沢弘文の数学」の著者・小島寛之氏によれば、社会的共通資本には「認識不分離性」という重要な問題意識がある。認識不分離性とは、社会的共通資本が民主主義のベースである倫理、教育、選好、嗜好など何らかの重要な価値観の認識と深く結びついているという意味で「不分離性」があるということ。

だから、その弊害として、例えばそれは「経済的な負け組の家庭で育ったため、そもそもの教育の意味自体が理解できなくなってしまう」ようなことが起こる。

科学技術にせよ、芸術にせよ、それら凡ゆるものが市場原理主義に呑み込まれれば、そもそも市場の外にあるべきものの(教育はおろか、愛、家族、知性などの)意味が分からなくなる恐るべき事態となる訳だ。

つまり、社会的共通資本と不均衡動学はそうならないための最後の砦とも言えることになる。Fiduciary(リアリズム倫理)が伴う所以でもある。

だから、科学者や科学技術者らも例えば「アインシュタインの一般相対性理論がGPSの誤差測定の微調整で技術的に役立っている」からといって、ゆめゆめ「 一般相対性理論絡みで市場原理主義に回収されぬよう」に注意して欲しい。

因みに、一般相対性理論の時空と重力が融合した演繹的な描像は、たしかにその一部がリアル観測で科学的に検証されてはいるものの、未だまだそれがファンタジーであるかも?ということが全否定された訳ではないようだ(要参照 →末尾添付資料『<現在>という謎』)。画像4

 <注>「特殊相対性理論、一般相対性理論」について

特殊相対性理論は、操作的な実験観測である「マクスウェル電磁気理論の対称性に依拠した、アインシュタインの『光の交信による現在”時間”』の測定(1905)」に基づく理論なので、「光の速さに近づくと時間が遅れる(速さは高速を超えることができない)」ことは、科学的事実として無視できない。一方、「リーマン幾何(測地線の方程式)+(古典)力学+重力(重力場のアインシュタイン方程式)」に基づく一般相対性理論(発表/1915~1916)は演繹的な理論なので、それが科学的事実であることを確定するため様々な観測が続けられている(関連参照↓◆)。

◆アインシュタインはどこまで正しい? 検証が進む相対性理論/真貝寿明(大阪工業大学情報科学部教授)https://www.oit.ac.jp/is/shinkai/nishinomiya/2020nishinomiya.pdfhttps://www.oit.ac.jp/is/shinkai/nishinomiya/2020nishinomiya.pdf

・・・ 

一方、全宇宙の謎(その根源にあるもの)については、下記資料(↓◆)のような興味深い展望も見えつつあるようだ。しかし、繰り返すことになるが科学者、科学技術者、あるいはAI研究者らは、ハイデガーの「Dasein」(か弱きリアル日常の現存在)を想起しつつ、ゆめゆめも権力(Ex.国家神道カルト("日本会議系:安倍・菅"らのネポティズム一派)、日米"マイファースト原理主義"トランピズム支持派等)と癒着した市場原理主義(者)らに丸裸にされ、宇宙ごとゴッソリ回収されぬようにして欲しい

◆ペンローズの“忘れられた考案”が超ひも理論と結びついて新展開/日経サイエンス2010年8月号 https://www.nikkei-science.com/?p=16197

・・・ 物理学者・数学者として名高い英オックスフォード大学のペンローズ(Roger Penrose)は1960年代後半,物理学の統一理論を打ち立てるための斬新な方法を考えついた。空間と時間のなかで粒子がどう運動し相互作用するかを説明しようとするのではなく,空間と時間そのものが,もっと深いレベルの実在から生まれてくる派生的なものなのだと,ペンローズは提唱した。だが,この「ツイスター理論」が広まることはなく,数少ない支持者も概念的な問題で身動きが取れなくなった。他の多くの統一理論の試みと同様,ツイスターは見捨てられた。

・・・その数カ月後,ウィッテンはツイスター理論とひも理論を結びつけた97ページに及ぶ論文を発表してツイスターを復活させ,ひも理論を厳しく批判する人々にも強い印象を与えた。これをきっかけに,理論家たちは空間と時間とは何かを考え直している。そうした研究から,通常の素粒子物理学では非常に難しい問題を簡単に解く計算手法がすでに生まれた。「人生でこれほど物理学にワクワクしたことはない」というのは,この新分野に集中するためハーバード大学からプリンストン高等研究所に最近移ったひも理論研究者のアルカーニ=ハメッド(Nima Arkani-Hamed)だ。「世界で15人ほどのグループが日夜研究を続けており,この分野はいま猛烈なスピードで進展している」。

クルクル

・・・ペンローズのもともとの狙いは,量子力学の原理を空間と時間にどのように適用するかを再検討することだった。従来の考え方では,極微の量子スケールでは時空の幾何構造が揺らぎ,事象どうしの関係が変わってくる。だとすると,ある事象を引き起こしたはずの事象がもはや原因ではなくなるなど,タイムトラベル物語に出てくるようなパラドックスが生じる。これに対しツイスター理論では因果の順序が第一の基本で,揺らぐことはない(「ひねり回転」を意味するツイスターという名は,前ページの図のように,自転する粒子の周りの因果関係がどのように見えるかにちなむ)。因果関係が揺らぐのではなく,事象が起こった場所と時間が揺らぐ(画像『ツイスター理論の可視化(を試みたもの)』は、http://bspline.web.fc2.com/cctl/tuistor.html より転載)。

・・・[素粒子物理にも恩恵]空間と時間をうまく再構築できるかどうかは別としても,ツイスター理論とひも理論はすでに素粒子物理学者たちから大いに慕われている。単純な粒子衝突を記述する場合でも,何万もの項を含む一連の方程式が必要で,それらの項はかの物理学者ファインマン(Richard Feynman)が1940年代に考案した方法に基づいて書かれている。ほとんどすべての項は最終的には相殺されて消えるのだが,どれが消えるかを前もって知ることはできないので,すべての項をゴリゴリ計算しなくてはならない。

・・・これに対しツイスター理論とひも理論にヒントを得た新方法は,ファインマンの方法が考慮していなかった「対称性」に着目し,計算の重荷となる項を最初から減らす。かつて数学の天才たちもお手上げだった計算が,たったの2~3週間で可能だ。「ファインマンがこれを見たら大喜びするに違いない」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のバーン(Zvi Bern)はいう。

・・・いま生まれつつある時空の新理論は仮説の段階だし,数学的に非常に難解なので,直接関係している物理学者たちでさえ進展状況を追いきれていないと認める。時空が派生構造にすぎないとしたら,それにもかかわらず私たちにこれほど現実的(リアル日常での意味!)に見えるのはなぜなのだろうか。理論家たちはまだ説明できていない。(完)

  (補足情報)

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◆ 自然を通底する重力とプランク定数ℎから超ミクロのドブロイ波長・円運動・粒子質量と超マクロ暗黒物質の連結は面白い。が、更に言えば「"対等共食"人類史の視座でもあるオミクス生命論(≒リアリズム倫理、Fiduciary)」へ誘導するヒントも欲しい! →クエスチョン/ミクロ世界と宇宙の関係を考える 暗黒物質に挑む 人類史の視点から 東大入試問題から120朝日 https://www.asahi.com/articles/DA3S14769616.html https://toxandoria.hatenadiary.jp/entry/2021/02/02/022035

[当記事関連/要参照資料]

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 その他の記事はコチラです! ↓

(1/4)https://note.com/toxandoria2/n/n28426341adf1
(2/4)https://note.com/toxandoria2/n/nf096813b8e66
(3/4)https://note.com/toxandoria2/n/nfc58c11fea2d

・・・全体の記事は下記◆にあります。

◆「ヒエラルキー分業」「ヒエラルキー分業」から対等共食へ転換を急げ!“リアル循環の変異の閾値”の調整弁たる不均衡動学(社会的共通資本のヒュレー)の基本ツール、数学の「本来性と言語性」の活用は「リアリズム倫理」の良循環をもたらす! https://toxandoria.hatenadiary.jp/entry/2021/03/08/233246

◆【別ヴァージョン】「ヒエラルキー分業」から対等共食へ転換を急げ!“リアル循環の変異の閾値”の調整弁たる不均衡動学(社会的共通資本のヒュレー)の基本ツール、数学の「本来性と言語性」の活用は「リアリズム倫理」の良循環をもたらす!https://toxandoria.hatenablog.com/entry/2021/03/08/180245


 

 

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