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【印刷研究所コラム】 vol.11 様々な折り加工①

皆さんの周りにあるチラシ・パンフレット・リーフレット・DM(ダイレクトメール)等の紙もの製品は、印刷機で印刷された後に何らかの加工を施すことによって完成しています。
後加工の中でも紙を製品サイズにカットする 断裁加工 と、用途に合わせて形状や見せ方を変えることができる 折り加工 は、あらゆる製品を作る上で基本となる印刷加工です。

今回はこの印刷加工の中から、代表的な 折り加工 の種類について、仕上がり形状や使用例を絡めてご紹介します。




代表的な折り加工

● 二つ折り

二つ折り

紙を半分に折る加工
基本的には長辺を半分に折りますが、短辺を半分折って長細いリーフレットにしたり、中心からずらした箇所で折る【ずらし折り】もできます。

二つ折り|情報の動線

縦型で横書きの二つ折りパンフレットの場合、左に開くように置いたとき、上にくる面が表紙になります。
表紙(①)を左に開いて中面(②)→ 左にたたんで裏表紙(③)へと読み進めるのが一般的です。

【余談】上記のように左側に開いて読み進める冊子(主に横書きのもの)の綴じ方は左開き左綴じ、右側に開いて読み進める冊子(主に縦書きのもの)の綴じ方は、右開き右綴じと呼ばれています。


● 巻き三つ折り(片観音折り)

巻き三つ折り

紙を3面に分け、そのうちの1面を内側に折り込む加工。
折込面の幅寸法は、他の2辺より2~3mm 短く設計します。
(例)展開A4サイズの巻き三つ折り|各面幅:100mm / 100mm / 97mm

巻き三つ折り|情報の動線

縦型で横書きの巻き三つ折りリーフレットの場合、巻いて折った時に紙端が外側に出ている面を左に開くように置いたときに、上にくる面が表紙になります。表紙(①)を左に開いて 中面+折込面(②+③)→ 折込面を右に開いて中面(④)→ 再度折りたたんで裏表紙(⑤)へと読み進めるのが一般的です。


● 外三つ折り(Z折り)

外三つ折り

紙を3等分し、山折りと谷折りを交互にZ字型に折る加工。
その仕上がりからZ折りとも呼ばれています。
基本的に、全ての面の幅寸法は同じです。

外三つ折り|情報の動線

縦型で横書きの外三つ折りリーフレットの場合、Zの形に折った端の面が左に開くように置いたとき、上にくる面が表紙になります。
情報の動線は少し複雑になりますが、表紙(①)を左に開いて中面(②)→ さらに左に折りたたんで構造上裏表紙になる面(③)→ さらに左に開いて、もう一つの中面(④)へと読み進めることができます。


● 両観音折り

両観音折り

紙を4面に分け両端の2面を折り込み、さらに中央で二つ折りにする加工。
折り込む2面の幅寸法は、他の2辺より2~3mm 短く設計します。

両観音折り|情報の動線

縦型で横書きの両観音折りリーフレットの場合、左に開くように置いたとき、上にくる面が表紙になります。
表紙(①)を左に開いて中面(折込面)(②)→ 折込部分を左右に開いて中面(③)→ 再度折りたたんで裏表紙(④)へと読み進めるのが一般的です。


折り加工の注意

● 紙割れ(背割れ)

紙割れ(背割れ)は、折り加工の際に、折り目部分の紙の表面が破れる現象です。紙の表面が破れると紙の白色などが見えてしまうので、特に色が濃いベタ面などに折り加工をする場合はその部分が目立ってしまい、仕上がり品質に大きく影響する場合があります。

紙の割れやすさは、紙の厚さや性質によって変わってきます。薄い紙ほど表面が引っ張られる距離が短いため割れにくく、厚い紙ほど紙の表面が引っ張られる距離が長くなるため割れやすい傾向にあります。

折る箇所にスジ押しをすることによって、紙割れを事前に軽減できる場合があります。※1
また、PP加工を行うことによっても紙割れは起こりにくくなります。※1※2
紙割れ(背割れ)に関して懸念がある案件は是非ご相談ください。弊社では案件によって、こちらから紙割れ防止策の提案をいたします。

※1 紙割れ(背割れ)は、軽減策を施しても防げない場合があります。
※2 PP加工実施後に折り加工をする場合、スジ押しをする必要があります。


● 紙目

普通は折り目はピシッと綺麗に折られていて当たり前だと思われますが、用紙の種類・用紙の厚さなどによって、工夫をしないと綺麗に折れない場合があります。その要因のひとつが紙目です。

紙目に対して、紙は 平行に折りやすく・曲がりやすく・裂けやすい 性質があるため、折り加工を綺麗に仕上げるには、紙目と折り目が平行になるように 用紙選定や面付け指示などを行います。

弊社では、案件ごとに紙目を考慮した手配・進行をご提案しています。
※ 紙目についてはこちらのコラムもご覧ください


● 折込面の幅寸法

折り加工では、仕上がりの内側に折り込む面がある場合、その面の幅を仕上がりの幅より短くする(逃す)必要があります。これは加工時にさまざまな要因で若干のずれが生じる場合があり、その際、折り込んだ面の端が折れてしまう可能性があるためです。

また折込面の幅を短くして(逃して)おくことは、折込ページの開きやすさにも繋がります。逃しが少ないほど、対向する面の開き具合によってはぶつかって開きにくくなるためです。
折り込む面の幅は、仕上がり幅より2,3mm 短くすると良いでしょう。


最後に。

折りの種類によって、印刷物にさまざまな機能を持たせることができます。用途に合わせた特殊な折り加工についてご希望の場合も、お気軽にご相談ください。

※加工内容や紙の厚さによってはご対応できない場合がございます。
※加工例、情報動線はあくまで一例です。
 仕様や目的、アイディアなどによって様々な使用方法で展開できます。
※本文中に表示している名称は他にも呼称がございます。


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