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【実験・検証室】 006:透明のインキ×色上質

前回005_白の階調でもお話ししたエピソード

透かし印刷のご依頼をいただいたお客様からの疑問。
「同じ透明なインキなら、ニスやメジウムでも透かしインキのように透けるんじゃないかな…?」

…ということで前回は白い紙に、透明なインキを印刷する検証をご紹介しました(白インキとの比較も織り交ぜております)。

せっかくなので白い紙以外でも見てみたい。そう思うのが人間の性。

そこで!

色上質紙に印刷した透明なインキの表現を見てみたい!
というデザイナーの皆様のために
(※004_透かし印刷×色上質で、透かしインキ×色上質は検証済み)


検証

様々な色の色上質紙にいろいろな透明のインキで印刷すると、
どのくらいの表現の違いがあるの?


検証スタート

検証物

検証物は以下のデータを使用。

画像1

シアン版:グロスニス / マゼンタ版:透かしインキ / イエロー版:透かしインキ(2胴目) / グリーン版:メジウム / スミ版:グレーインキ(文字のみ) で印刷されます。

各々、20%/40%/60%/80%/100%のチャートと、面積を少し広げたベタと、イラストで 印刷(透かしインキは2度刷り)。

用 紙 : 紀州色上質紙 特薄口 (ラベンダー/若竹/山吹/水/りんどう)
色 数 : 5色(透かしインキ+透かしインキ+グロスニス+メジウム+グレーインキ)


印刷結果

印刷しました。

【WEB原稿】透明のインキx色上質_ol前

検証物を見ると、透かしインキで印刷した部分は以前004でご覧いただいた通り透け感が出ていますが、グロスニス・メジウムに関しては若干の透け感…というよりは、ニュアンスはついているものの「透けている」とは言えない結果になりました。

画像3

ちなみに、裏から見るとこうなっています。やはり透かしインキは裏までしっかりと透けていますね。ニスとメジウムはそこまでインキが浸透していないのがわかります。

紀州色上質紙 特薄口。各透明インキの透け感の違いは、実際の検証物をご覧になってください。

補足事項

透かしインキを使用する際は下記のことにご注意ください。

・透かしインキは固化乾燥しないので、後工程の印字・後加工・箔押し
 などができない場合もあるため、全て事前に検証の必要があります。
・透かしインキの上には通常インキはきれいに乗らないため、通常の
 絵柄は透かし部分を避ける必要があります。
・透かしの絵柄が細かいものは表現しきれない場合があります。
・透かしの程度は用紙によって異なります。
・通常オフセットインキに使用している植物油(乾性油)を併用してい
 ます。この成分は徐々に黄変します。 また、インキ膜厚の厚いほど、
 印刷後の経過時間が長いほど、保管場所の温度が高いほど、変色の程
 度が大きくなります。
・時間の経過とともに、にじみが発生します。
・透かし印刷に他の印刷物を重ねて保管した場合、時間の経過や荷重の
 かけ方によっては透かしインキが他の印刷物の絵柄に影響を及ぼす
 可能性があります。
・乾燥は最低3日間必要とし、その後加工になります。
・全面に透かしを入れるなど、透かしの面積が大きい場合は前もって
 ご相談ください。


画像4

透かしインキ・ニス・メジウム。透明のインキでの表現、いかがでしたか?ぜひ実際の検証資料をご覧ください。

検証物のサンプルは資料請求フォームよりお問い合わせください
(無償でご提供しています)



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