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朧月『切』。の第百七十四首

第百七十四首
風吹かば今こそ内を明かさなむ
雲わだつみの朧の月よ
─── 音無桜花

2024.08.23.


第百七十ニ首・朧月『慈』と対になる一首です。(当歌の投稿にともない、第百七十ニ首目は朧月『慈』に改題しました)


当歌は『慈』とほぼ同じタイミングで詠んだ歌なのですが、月に寄り添うニュアンスが上手く表現しきれませんでした。

『慈』は、朧月の短歌に最初に込めたかった思いを素直に歌にしています。私の技量不足と、真意を大切にした結果、『慈』は現代語を使った仕上がりになりました。


一方で朧月を和歌っぽい風情で詠みたくて、『慈』と主題的には同じながらも、詠み手側の感情が強く出たのが当歌です。

切々とした仕上がりになったので『切』と題しました。


風が吹いた一瞬の雲の切れ間から、月の「本当(本心)」が現れる…………そんな哀切な風情が伝われば嬉しいです。

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