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黒。の第五十一首

第五十一首
現し世うつしよに忘れ去られた悲しみに
羽黒蜻蛉は儚げに舞う
─── 音無桜花

2023.09.01.


尋常ではなかった暑さの八月が去り、朝晩は例年のような涼しさが戻ってきました。
とは言っても日中は真夏のような残暑が続いています。

夏に生命の盛りをむかえた生き物達。
季節とともに彼らのライフサイクルも幕引きの時期に差しかかっています。
来年の夏に向けて新たなサイクルが始まろうとしています。

夏になると川や水辺で見かける羽黒蜻蛉。

ヤンマやナツアカネ・アキアカネよりも静かに幽玄に水面を飛んでいます。
水辺にある草陰や木陰に群れ飛んでいるのをよく見かけるので、姿形や飛行の動きの印象も相まって、この世のものではない感じがします。

まるで有史前の太古から来たような、さもなくば冥府の住人であるかのような、そんな印象を受ける姿に目を奪われてしまいます。

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