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『猟奇的な彼女』(韓国/2001)

ちょうど『プロデューサー』と『最高の離婚』を見終えてチャ・テヒョン熱が高まってたんで。ちょうどNetflixにオススメされたんで。
日本公開は2003年なんだけど、「いつか見るもん……」と思いながら20年近くが経ってたよ。

猟奇的な彼女

正直はじめの1時間は蛇足のエピソードが多いような気がして途中でリタイアしようかと思ったんだけど、ラストの30分で大どんでん返し。前半のあれやこれはこの終盤に行き着くまでのフリだったのかよ。
キョヌがぼーっとしながら彼女のわがままをいつも受け入れてきたけれど彼女はその優しさに救われながら自分の気持ちを整理できず戸惑ってたんだね。
何度もすれ違って距離が縮まらない彼女とキョヌに急に強い親近感を覚えて何だか他人ではなくなってしまって、彼らの行方に心が震えたよ。
「I believe」の歌も上手い具合に切なさを加速させる。

だってチャ・テヒョンの顔がずるい。優しい表情に嘘がなさそうでニッコニコされるとちょっと痛めつけたくなる彼女の気持ちがわかる(ごめん)。ちょっと不幸でいてほしいって思っちゃう(ごめん)。

個人的に大好きなのはクラブに入る時のこのカット。
2人が最高にドヤ顔。無敵な2人。

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映画のラストにこのシーンを持ってきたのも最高すぎるでしょ。
泣きたくなるんだけど。

あと余談でこの作品の別軸の感想として、これは個人的なノスタルジーになっちゃうんだけど、大学生→社会人という時間と互いの距離感の曖昧さが懐かしくて、そしてあの時間が遠い過去になったことを思い知らされて胸が少し苦しくなった。
懐かしすぎるんだよ、ガラケーもポップなメールのクライアント画面も。
SNSやLINEがなかった時代の、「お掛けになった電話番号は現在使われていません」というのは電話番号が変わってその新しい電話番号を教える相手ではなかった、という意味合いで今振り返るとまだ人情味がある。LINEで友だち切られたりアカウント消されたりするのは「お掛けになった電話番号は現在使われていません」とは全く別の世界線だと思うから。
2001年と2021年からの景色の定点観測的な気づき。そんなとこ。

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