【気まぐれエッセイ】私が目指すべきは、バブル世代の "大人っぽい" 女性なのかもしれない
芸能活動をしているときも水商売をしているときも私は、ギラギラ系のお金持ち男性(日焼けしていて歯がめっちゃ白い、イケイケ系)たちからのウケがすこぶる悪かった。そしてその手の男性たちって、そういう業界で力を持っている方が多いので、私はとても不利だった。
「なんでだろう?」といつも悔しく思ってきた。
たしかに私は誰もが認めるような王道の美人ではないし、スタイルだって人並みだ。そしてトップに上がっていく女性たちの多くは、「叶わない」と思うような容姿の持ち主だった。でも中には、高い評価をされているけれど、正直私とそんなに大差ないのになぁと思う女性たちもけっこういた。
「私と彼女たちの何が違うんだろう?」といつも考えてきた。
その答えに、つい最近気がついた。
それは彼に、バブル時代のコカ・コーラのCMを見せてもらったときのこと。
彼は言った。
「男性も女性も、この時代の人たちって大人っぽいよね。精一杯背伸びして、大人でいることがカッコいいっていう時代だったんだろね」と。
たしかに。
単純に歳が上に見えるという意味の "大人っぽい" ではなくて、"大人っぽい"というジャンルというか……。上手く言えないけど、伝わるかな。「コカ・コーラ/CM/昭和」とYouTubeで検索してみて。たくさん出てくるから。
そして思った。
私って、この時代の女性たちの雰囲気に似てるよなって。
そう、私って、"イマドキ" じゃないのだ。
別に肩パッドの入った服を着ているわけでも、前髪をくるんと巻いているわけでも、ソバージュをあてているわけでもなく、メイクも髪型も服装も今の時代のものしか選んでいないのに。
それでも私は、たぶん、"大人っぽい"。バブル期の人たちの大人っぽさを持っていると、自分で思った。
あぁ、だから赤坂や銀座では良くしてもらうこともあったけど、六本木や新宿ではびっくりするほどウケが悪かったのか、と腑に落ちた。
そろそろ若く見せたいお年頃ではあるけれど、これからは "大人っぽさ" を自分の持ち味として活かしていこうと思う。肌や髪は若くありたいから、あくまでも雰囲気の話ね。
こうして自分らしさに気づくことで、長年抱えてきたコンプレックスが解消されることって、あるんだね。