【気まぐれエッセイ】迷惑をかけるという孝行

うちの祖母はよく
「ピンピンコロリがいい」と言う。

たしかに人生最後の瞬間までピンピン元気で、誰にも迷惑をかけることなく自立したままコロリとこの世を後にできるのは、幸せなことだと思う。そして、子孝行だなとも。まだずっと先の話ではあるけれど、私自身そうだったらいいなと思う。

でも祖母は同時に、老いた両親(私にとっての曾祖父母)の面倒を見た話しを、とても満足気に語るのだ。

誰だって、大切な人の役に立ちたいし、大切な人のために、何かしてあげたいと思うもの。その欲求を満たしてあげるのも、子孝行のうちなのかもしれないと、祖母の話を聞いていて思った。


「やれるだけのことをやってあげられた」という想いは、残されるものにとって、愛する人との別れを受け入れる1つの材料になるのかもしれない。もちろん、どれだけのことをしても、悔いが残ることはあるのだろうけど。

赤ちゃんにとってはお世話をさせることが親孝行(存在自体が親孝行)であるように、迷惑をかけることが、誰かの幸せに繋がることもあるのだなと思った。

恥をかくことや迷惑をかけることを受け入れて、感謝して生きることは、自分だけではなく、きっと人も幸せにするんだね。


強がりで格好つけな私に、もっと言い聞かせていこうと思う。

幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。