【気まぐれエッセイ】2種類の「去年も同じことしていたなぁ」
いつからか我が家では、新年に日帰り旅行するのが定番となっている。
今年のお正月のこと。
サービスエリアに入ったとき父が
「コーヒー飲んでいこう」と誘ってくれた。
母と妹は違うところを見て回っていたので、私は父と2人でコーヒーを飲んだ。
そのとき私の頭には、昨年のお正月に出かけたときのことがすぐに浮かんだ。
「お父さん、去年もここで、こうして同じように2人でコーヒー飲んだね」
私は父に言った。
「あぁ〜、そう言えばそやったな」と父は答えた。
そのときなんだか、心の中がふわっと、温まるのを感じた。
あぁ、幸せだなぁ、私。
そう感じたんだ。
「去年も同じことをしていたなぁ」
全く違うシチュエーションでそう感じるとき、私はたまらなく虚しくなるし、焦りや不安を覚える。
例えば、本当はやりたくない仕事をお金のために続けている状態が、昨年とも、また一昨年とも、そのまた前年度とも変わっていなかったとき、
「去年も同じことをしていたなぁ」と気づくと、私はどうしようもなく暗い気持ちになる。
だからね、今年、去年と同じサービスエリアの一角で、去年と同じように父とコーヒーを飲んでいるときに、私は決めたんだ。
「同じことを繰り返している」そう気づいたときに虚しいと思うようなことは、出来る限りやらないようにして、「幸せ」だと思えることを、この先の人生、最優先して生きていこうと。
私にとってそれは、家族や彼(たぶん将来家族になる人)との何でもない時間。
それから、そんな幸せなひと時を、ひとりでこうして振り返る時間。
それらを軸に、もう繰り返したくないことを、来年こそはやめていられるように、今年は、これまで以上に本気で生きる。
そう、決めた。
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