とんでもなく生きている
ぐんと、その一点を見やる
見やる
そこから少しも目を逸らさない
そのほんのほんの一瞬一瞬のそれぞれに
どしんと、生きている
そこから少しも逸れないで
どこかにいかないで
そこにどしんと、生きている
その時はたったひとつの場所で
それがわたしのその瞬間瞬間のすべてで
そういう中にいる
その瞬間が大好きだ
普段は、一瞬一瞬自由に飛び回るその思考が
ただその時は、ひとつもぶれることがない
これが、生きているってことだ
頭じゃなくて、命がしっている呼吸をして
それで、生きている
獲物がある
そこから、わたしは絶対に
己の眼を逸らさない
ただ、一点
逃したら、自分がやられる
とんでもなく、生きている
死ぬかもしれない
そういうことが生きている、ということ
わたしにとっては、それが
生きている
ということ