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ずーっと、ずーーっと、このまま落ちていきたい。この大きな落とし穴を

どれくらい経っただろう。
真っ暗闇を落ち続けて。
声を出しても跳ね返った音は
すぐに後方へと消えていく。

落ちながらも姿勢を変えつつ、
楽しんでいる。
空を翔んでいるかのように、
手を大きく広げてみたり。
心を無にするかのように、
座禅を組んでみたり。

落ちながらなにか物事について考えていると、
頭と身体はぐらんぐらんと揺れ動き、
いっこうに集中させてはくれない。

それもそのはず、
今は大きな竪穴を落ちているから。

ジブリ映画のラピュタの
パズーとシータが逃亡するシーン
飛行石で竪穴の坑道に落ちていく。

まさにそのような感覚。

落ちているといっても、
フワッと浮いているように
ゆっくりゆっくり落ちている時もあれば、
直滑降にF1並みのスピードで落ちる時もある。

そんな穴の中をずっと落ちていきたい。
もう上に上がれなくてもいい。
だからずっとずっと。
深く深く。

もう全てがどうでもいい。

頑張ってもいないけれど、
これ以上頑張りたくもない。

まったり、ゆったり、
幸せだけを感じていたい。
何かをして幸せを感じるのでなく、
何もしない、幸せを感じていたい。
そういう思いが強い。

あのときの決断がどうだったのか。
今の自分があるのは、
あのときそう決めたから。
あのとき断れなかったから。
「決断」って嫌な言葉。
「断らない」と決めたことを
決断って言うんだもん。
「断ること」を決めたことを
「逃げる」というのはどうしてなの。

だから今もこうして
ずっと見えない深い闇の中を
どうしようもなく落ち続けている。

逃げると決めるまで、ずっと落ち続ける。
この真っ暗闇を。

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