瞬きする度に色が変わる花
瞬きする度に色が変わる花をみた
信号待ちで見かけたその花は
道路を挟んだ向かいの空き地一面に咲いており
場違いにロマンチックだった
「不思議な花だよね」
よこに並んだ兄が言った
「よかった、私の目がおかしいのかと思った」
「別におかしくない あの花がそういう花で君の目がそういう目なんだよ」
「なあにそれ」
「いいから 摘んできてあげる」
似つかわしくないはからいに
私は心底よろこびはしゃいだ
でもありがとうと見上げたとき
兄はもういなくて
跡形もなく消えていて
向かいの花はモノクロになっていた
何度も何度も瞬きしてみたけれど
モノクロのままだった
.
今朝みた夢の話。おはよう。
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