メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第290号 單方「蓮實」「桑椹」(内景篇・身形)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


  第290号

    ○ 單方「蓮實」「桑椹」(内景篇・身形)

        ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説
      ◆ 編集後記


           

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

 こんにちは。単方の続き「蓮實」と「〓仁(〓くさかんむり欠)」です。
 

 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)


 (單方「蓮實」「〓仁(〓くさかんむり欠)」 p80 下段・内景篇・身形)


 蓮實

           久服輕身耐老不飢延年去皮心搗爲末作粥
   或磨作屑作飯長服皆佳又搗末酒飮任下二
   錢久服令
   人長生本草


〓仁(〓くさかんむり欠)

   即〓頭實也久服輕身不飢耐老神仙仙方取(〓奚隹)
   此並蓮實合餌最佳作粉食之甚妙是長生之
  藥服之延年〇〓仁粥粳米一合〓頭實末二(〓くさかんむり欠)
                    (〓奚隹)
  合煮粥空心服之益精氣聰利耳目能駐年本草


 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)


 蓮實

  久服、輕身、耐老、不飢、延年。去皮心、搗爲末作粥、

  或磨作屑、作飯、長服皆佳。又搗末、酒飮任下二錢。

  久服令人長生。本草。


〓仁(〓くさかんむり欠)

  即〓(奚隹)頭實也。久服、輕身、不飢、耐老神仙。

  仙方取此、並蓮實、合餌最佳。作粉食之甚妙。

  是長生之藥、服之延年。〓(くさかんむり欠)仁粥、

  粳米一合、〓(奚隹)頭實末二合、煮粥。空心服之、

  益精氣、聰利耳目、能駐年。本草。


 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)

 ■現代語訳■


 蓮実(れんじつ)

  長期間服用すれば身体が軽くなり、老いず、飢えず、寿命が延びる。

  皮と芯を除去し、搗いて粉末にし粥を作る。

  或いは挽いて粉末にし飯に混ぜて炊き、長く服用するのも全て良い。

  または搗いて粉末にし、酒と共に二銭を服用する。

  長期間服用すれば人を長生にする。『本草』


〓仁(〓くさかんむり欠)(けんにん)

  即ち〓(奚隹)頭実である。長期間服用すれば身体が軽くなり、

  飢えず、老いず、神仙となる。

  仙方ではこれを蓮実と共に摂取するのが最も良いとし、

  粉末にし食すれば甚だ効果が高い。

  これは長生の薬であり、服すれば寿命を延ばす。

  〓(くさかんむり欠)仁粥、

  粳米一合、〓(奚隹)頭実の粉末二合を煮て粥にする。

  空腹時に服せば、精気を増し、耳と目を良くし、

  年を取らない。『本草』
  

 ★ 解説 ★

 単方の「蓮實」「〓仁(〓くさかんむり欠)」です。効用は同様の感じで、ここまで読んで来た方には原文でも比較的容易に読めるでしょうし、翻訳も同時通訳的に訳し下すことができそうな文章です。

 「〓仁(〓くさかんむり欠)」の方には別名が記され、「〓(奚隹)頭実」とあります。

 なぜこの二つが連続で取り上げられているのかが文章からも、また元の植物からもわかります。ご興味おありの方は二つの元の植物について、またなぜ「〓(奚隹)頭実」と呼ばれるのか、などお調べいただけたらと思います。


 ◆ 編集後記

 今週も都合により日曜配信となりましたが、週一、一号に二種の配信を固守することができました。

 残りの生薬は五つですが、二つずつの配信ですと一つ余って三号必要ですので、次号は本文が短いものを含みますので次号は三種取り上げて配信する予定です。
                     (2018.11.04.第290号)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

いいなと思ったら応援しよう!