メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第273号「遐齡萬壽丹」(内景篇・身形)
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◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆
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第273号
○ 「遐齡萬壽丹」(内景篇・身形)
◆ 原文
◆ 断句
◆ 読み下し
◆ 現代語訳
◆ 解説
◆ 編集後記
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こんにちは。「遐齡萬壽丹」に入ります。
文が長いので前説部分で切ります。
◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
・ページ数は底本の影印本のページ数)
(「遐齡萬壽丹」 p78 下段・内景篇・身形)
遐齡萬壽丹
詩曰遐齡萬壽丹服食魂魄安養藥〓(〓奚隹)
抱卵日期要周全修合室深宜一切人
勿觀甲子庚申夜爲丸不見天一還増六十二還
百廿年服藥非凡骨壽同天地間秘之深秘之玄
之又更玄
▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)
遐齡萬壽丹
詩曰、遐齡萬壽丹、服食魂魄安、養藥〓(奚隹)抱卵、
日期要周全、修合室深宜、一切人勿觀、甲子庚申夜、
爲丸不見天、一還増六十、二還百廿年、服藥非凡骨、
壽同天地間、秘之深秘之、玄之又更玄。
●語法・語(字)釈●(主要な、または難解な語(字)句の用法・意味)
▲訓読▲(読み下し)
遐齡萬壽丹(かれいまんじゅたん)
詩(し)に曰(いは)く、遐齡萬壽丹(かれいまんじゅたん)、
服食(ふくしょく)して魂魄(こんぱく)安(やす)し、
養藥(ようやく)〓(奚隹)(けい)卵(らん)を抱(だ)く、
日期(じつき)周(あまね)く全(まった)きを要(よう)す、
修合(しゅうごう)室(しつ)の深(ふか)きに宜(よろ)し、
一切(いっさい)の人(にと)觀(みせしむる)ことなかれ、
甲子(かっし)庚申(こうしん)の夜(よ)、
丸(がん)と爲(なし)て天(てん)を見(み)ず、
一還(いっかん)六十(ろくじゅう)を増(ま)し、
二還(にかん)百廿年(ひゃくにじゅうねん)、
藥(やく)を服(ふく)すれば凡骨(ぼんこつ)に非(あら)ず、
壽(じゅ)は同(おな)じ天地(てんち)の間(かん)、
これを秘(ひ)して深(ふか)くこれを秘(ひ)せよ、
これを玄(げん)にして又(また)更(さら)に玄(げん)せよ。
■現代語訳■
遐齡万寿丹
詩に言うには、遐齡万寿丹は、服用すれば魂魄を安んずる。
薬を作るには、鶏が卵を抱くように、
期間が完全に満たされる必要がある。
調合には奥深い部屋が良く、一切他人に見せてはならない。
甲子、庚申の夜に、空が見えない場所で丸薬とする。
一巡の服用で寿命が六十年増し、二巡では百二十年増す。
薬を服すれば非凡の人に変わり、寿命は天地と同じとなる。
これを秘して深く秘せよ、これを隠しまた更に隠せよ。
★ 解説 ★
具体処方のよっつめ「遐齡萬壽丹」です。前の「延年益壽不老丹」以上に長い文ですので前説の部分で切ることにします。
まずこの処方の効用が説かれています。「詩曰」とあるように、漢字五文字の定型で文が形成されており、訳すと説明調になってしまうのでかえって原文や訓読で読んだ方がリズムとしても内容としても把握しやすいのではと思います。
◆ 編集後記
「遐齡萬壽丹」の前説部分を読みました。いつもなら土曜日配信ですが、今週は都合により、かつ配信の間を空けたくありませんでしたので一日遅れの日曜日に配信となりました。
次号は遐齡萬壽丹の続きの部分、生薬や作り方の解説部です。残りが前号の「延年益壽不老丹」と同量の文があって長いのですが、できれば次号でこの処方を全部読み終わりたいと考えています。
(2018.07.08.第273号)
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