メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第316号「煉精有訣」(内景篇・精)

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆

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  第316号

    ○ 「煉精有訣」(内景篇・精)

        ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説

      ◆ 編集後記

           

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 こんにちは。「煉精有訣」に入ります。
 

 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)

 (「煉精有訣」p82 下段・内景篇・精)

煉精有訣

     全在腎家下手内腎一竅名玄關外腎一竅
      名牝戸

 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)

 煉精有訣

  全在腎家下手、内腎一竅、名玄關、外腎一竅、名牝戸。

 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)

 

 ▲訓読▲(読み下し)

     精(せい)を煉(ね)るに訣(けつ)有(あ)り

  全(まった)く腎家(じんか)手(て)を
 
  下(くだ)すに在(あ)り、

  内腎(ないじん)一竅(いっきょう)、

  玄關(げんかん)と名(なづ)く、

  外腎(がいじん)一竅(いっきょう)、

  牝戸(ひんこ)と名(なづ)く。

 ■現代語訳■

 精を煉る秘訣

  精を煉る秘訣は、全て腎への手法にある。

  内腎にひとつの孔があり、玄関と名づけられる。

  外腎にひとつの孔があり、牝戸と名づけられる。

 ★ 解説 ★

 前号に続く項目、「煉精有訣」です。なぜここでこのような項目が立てられたのかも、もうわかりますよね。

 はじめの一文、少し語句を補っています。これは解釈がわかれるところで、「腎家」を「腎病がある人」と解釈する向きもあります。腎病を持つ人は、全てこの秘訣を実行しなければならない、という読みになります。

 ところがここまでの全体の文脈を考えると、精を煉るべき人は特に疾患のある人に限っていず、およそ全ての人を対象とした説き方をしてきましたよね。ですのでここでも腎病を患う人のみを対象とした説き口は少し違和感を感じます。

 ちなみに、この部分を先行訳はスルーして省略しています。文脈全体に関係薄いからカットしたのか、判読できなかったからカットしたのか、不明ですがとにかくカットしてあり、これひとつとっても正しい翻訳態度とは言えないように思います。

 ◆ 編集後記

 「煉精有訣」に入ります。執筆時間の都合で、かと言って配信に穴を空けたくなく、初めの部分のみを取り上げて配信しました。

                     (2019.05.12.第316号)
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