メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第341号「精滑脱屬虚」(内景篇・精)
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◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆
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第341号
○ 「精滑脱屬虚」(内景篇・精)
◆ 原文
◆ 断句
◆ 読み下し
◆ 現代語訳
◆ 解説
◆ 編集後記
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こんにちは。前号までの「夢泄亦屬鬱」の続き、「精滑脱屬虚」に移ります。
◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
・ページ数は底本の影印本のページ数)
(「精滑脱屬虚」p84 上段・内景篇・精)
精滑脱屬虚
仲景曰失精家小腹弦急陰頭寒目眩髮
落脈極虚〓遲爲清穀亡血失精男子失(〓くさかんむり孔)
精女人夢交桂枝龍骨牡蠣湯主之
▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)
精滑脱屬虚
仲景曰、失精家、小腹弦急、陰頭寒、目眩髮落、
脈極虚〓(くさかんむり孔)遲、爲清穀、亡血、
失精。男子失精、女人夢交、桂枝龍骨牡蠣湯主之。
●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)
▲訓読▲(読み下し)
精(せい)滑脱(かつだつ)虚(きょ)に屬(ぞく)す
仲景(ちゅうけい)曰(いは)く、
失精家(しっせいか)は、小腹弦急(しょうふくげんきゅう)、
陰頭(いんとう)寒(さむ)し、目眩(めまい)し
髮(かみ)落(お)つ、脈(みゃく)極(きは)めて
虚(きょ)にして〓(くさかんむり孔)(こう)遲(ち)、
清穀(せいこく)、亡血(ぼうけつ)、失精(しっせい)と
爲(な)す。男子(だんし)失精(しっせい)し、
女人(にょにん)は夢(ゆめ)に交(まじは)る、
桂枝龍骨牡蠣湯(けいしりゅうこつぼれいとう)
これを主(つかさど)る。
■現代語訳■
精の滑脱は虚に属する
仲景が説くには、精が漏れる者は、
下腹部が弦のように張り固く、陰部の先端が冷たく、
目眩し髮が抜け落ちる。脈は極めて虚にして〓(くさかんむり孔)、
遅であり、消化不良、出血があり精が漏れる。
男性は精が漏れ、女性は性交する夢を見る。
以上に桂枝龍骨牡蠣湯を主に用いる。
★ 解説 ★
「夢泄亦屬鬱」の次の項目「精滑脱屬虚」に入りました。
まずは「仲景曰」と引用を示して最終的に処方を提示しています。「仲景」
はご存知、張仲景のことですが、ではこの文章はどこからの引用でしょうか?
いつも書きますように昨今はネットの検索が非常に便利で、この文章なども
あっという間に引用元を知ることができます。
そして処方に関しても多くの情報を得ることができます。
ここでは引用元を書きませんので、ご興味おありの方は検索していただき、
引用元、さらに処方についてご考察くださればと思います。
先行訳については、以前にも書いたようにこの「精滑脱屬虚」の文章を丸々
省略し、前の「夢泄亦屬鬱」の処方欄と、こちらの処方欄とを繋げて記載し
ていますので、この文章そのものが記載されていず、比較すらできない状態
です。
先行訳をお持ちの方は、ご確認の上この項目を補足くださればと思います。
◆ 編集後記
前号までの「夢泄亦屬鬱」に続いて「精滑脱屬虚」を読みました。
この欄で他の部分を読むかもと書きましたが、順当に読み進めることにしま
した。
この項目だけでおそらくあと8号ほど必要で、この項目を読むうちに年越し
を迎えるかもしれませんが、変わらず週一配信を期して、倦まず弛まず執筆
を続けたいと考えています。
(2019.11.10.第346号)
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