メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第299号「却病延壽湯」(内景篇・身形:附養老)

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


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  第299号

    ○ 「却病延壽湯」(内景篇・身形:附養老)

         ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説
           

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 こんにちは。「附養老」の具体的な処方解説に入ります。
 まずは「却病延壽湯」です。
 

 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)


 (「却病延壽湯」 p80 下段・内景篇・身形)


  却病延壽湯

           治老人小水短少人參白朮各一錢牛
       膝白芍藥各七分陳皮白茯苓山査肉
   當歸甘草各五分右〓薑三片煎服不拘時春加(〓坐りっとう)
   川〓夏加黄〓麥門冬秋冬倍當歸生薑小水如(〓くさかんむり弓)
                      (〓くさかんむり今)
   舊乃止藥此老人
   養生之捷法也入門


 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)


却病延壽湯

       治老人小水短少。人參、白朮各一錢、牛膝、白芍藥各七分、

  陳皮、白茯苓、山査肉、當歸、甘草各五分。

  右〓(坐りっとう)、薑三片、煎服、不拘時。

  春加川〓(くさかんむり弓)、夏加黄〓(くさかんむり今)、

  麥門冬、秋冬倍當歸、生薑。

  小水如舊乃止藥。此老人養生之捷法也。入門。
   

 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)

 ■現代語訳■


 却病延壽湯(きゃくびょうえんじゅとう)

       老人の乏尿を治す。人参、白朮各一銭、牛膝、白芍薬各七分、

  陳皮、白茯苓、山査肉、当帰、甘草各五分。

  以上を刻み、生姜三片を加え、時間に関わらず煎服する。

  春には加川〓(くさかんむり弓)を加え、

  夏には黄〓(くさかんむり今)、麦門冬、

  秋冬には当帰、生姜をを二倍にする。

  尿が元のように戻ったら服用を止める。

  これが老人養生の最良の方法である。『入門』


 ★ 解説 ★

 「附養老」の具体的な処方に入ります。まずは「却病延壽湯」です。

 これは直前の項目「老人保養」に挙げられた処方ではなく、そのひとつ前、「老人治病」に出ていた処方でしたね。項目に説かれた処方が直後に説かれることが多いですが、これは一括して後に処方を解説している体裁であることがまず読み取れます。

 興味深いのは季節によって加える生薬を違える記述で、今まで読んだ中にも季節によってある生薬の量を加減したりする記述があったり、さらに大きく言えば季節ごとの違った養生法も説かれていたりしましたよね。

 この季節によって対処法を変えるというテーマも奥深く、またしっかりと考察、追及すべき重要なテーマのひとつではと思います。

                     (2019.01.05.第299号)
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