見出し画像

ハイパーカジュアルゲームと学生作品の共通項

ハイパーカジュアルゲーム、というゲームジャンルがある。いや、厳密にはジャンルでは無いな。カジュアルゲームというジャンルの中で、スマートフォンやブラウザなどでやれる、広告に出てきて広告が出てくるアレのことである。
基本的には名も知れぬよくある暇つぶしゲームといったものが圧倒的多数である一方で、妙にアクションに凝っていたり考えさせられるパズルだったりと、発想力の強いゲームもあったりと、中々どうして侮れない一面がある。
これらのゲームは基本的にシンプル、かつ極小規模な開発であることが多い。必要以上にリソースを削り、この令和の時代に棒人間や図形のみなどおよそ一見すれば手抜き作品とも取れるデザインであることも少なくない。これはあくまで開発側の都合であり、端的に言えばリソース回収を容易にすることで利益を出しやすくするということだろう。
ただし、それは=ユーザーとしてハイパーカジュアルゲームが質の低い劣化品であるという事ではない。確かに既存のゲームを模したものであればそれは悪貨でしか無いが、ジャンルの特性上ゲームはシンプルかつ分かりやすい、そしてちょっと新しいものにする必要がある。
最初の数分、もっと言えば初回プレイ時の感想が「退屈だな」か「ありきたりだな」であった場合、そのゲームは利益源たる広告を一度も表示すること無くスマートフォンから姿を消すことになるからだ。事実、これらについての話では日本市場でインディーズが成功する可能性の一つとして取り上げられていることがある。この2つは明確に違うものだが、成功した要因は重なる部分がある為にそれらを纏めているのだろう。

ここからが本題。専門学校や大学などでゲーム制作を行う場合、このハイパーカジュアルゲームは非常に参考になる。何も学生作品は皆カジュアルゲームになれとか言うつもりは無いのだが、分かりやすいという一点において、これらのゲームに敵うものは少ない。学生作品の場合、プレイされる場所は展示会場になることが多く、1回長くても5分くらいだろう。
そういった状況で、極端な例えだがダークソウルのような重厚なゲームシステムを理解してもらうことは難しい。シンプルでなくても分かりやすい、最低限何をしたいのかが伝わる作品にするべきだろう。

その見本としてハイパーカジュアルゲームは非常に優秀なのである。収益モデルが広告であり基本無料なことから数をこなして比較することも容易で、そういった点でも学生のうちからスマホに大量のゲームを入れておくと有意義な勉強になるかも知れない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?