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ガレット・デ・ロワと土人形

フランスでは、1月になるとパン屋さんやパティスリーなどにガレット・デ・ロワが並びはじめます。

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キリストの誕生を祝って東方から来た3人の王様「バルタザール」「メルキオール」「ガスパール」にちなんだ、カトリック伝統のお祭り『公現祭(Epiphany)』を祝うお菓子です。

「ガレット(galette)」とは円形のお菓子、「ロワ(roi)」とは王様のこと。
直訳すると「ガレット・デ・ロワ(galette des Rois)」は「王様のケーキ」という意味ですね!

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このお菓子の中に「フェーヴ(Fève)」という全長4cmほどの小さな土人形が隠されていて、切り分けて食べるときにそれが当たった人は、その日“王様”になり、紙の王冠をかぶってみんなから祝福されます。そしてその年一年は幸運が続くと言われています。

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集めたくなるかわいいフェーヴ(Fève)

「フェーヴ(Fève)」というのはフランス語でそら豆のことを意味します。
かつては乾燥させたそら豆をガレット・デ・ロワに入れていたのが陶器のお人形に変わっていったことから由来します。

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宗教モチーフのフェーヴ、お守りやコレクションとしてはもちろんですがアドベントシーズンに飾る「クレッシュ」に使用する家庭もあります。
クレッシュは公現祭のテーマとなるキリスト降誕の様子を人形をならべてあらわしたものです。
クリスマスが近くなると、よく教会の外に大きなクレッシュが飾られているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

信仰の厚いプロヴァンスの町人たち

クレッシュに登場するマリアやヨセフ、天使ガブリエル、そして3人の王様はキリスト時代の服装ですが、村人の服装は18世紀と時代が違います。これはフランス革命時代、宗教活動が禁止された際に、信仰の厚いプロヴァンスの人々が聖人のかわりに自分たちの姿や身近にいる動物を人形にして飾り、各家庭ごとに飾ることを思いついたからだそうです。

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プロヴァンス地方で作られている土人形は「サントン人形」と呼ばれ、 19世紀のプロヴァンスの人々の伝統的な衣装や、生活の様子を表現した持ち物やポージングになっています。
「サントン」という言葉は、プロヴァンス語で「小さな聖人」を意味する"santoùon"という語に由来します。 また、イタリア語で「美しい聖人」を意味する”Santi Belli”の短縮形、”santoni”に由来するとも言われています。

サントン人形は、マルセイユやオーバーニュの良質な土から作られます。 土を人形の型に入れて固め、その上に手作業で、細かく丁寧に絵付けをして焼き上げます。

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古いものほど素朴でラフな絵付けが施してあり、独特の雰囲気を放っています。全長4cmのという小さなサイズ感はコレクター心をくすぐります。毎年どんなフェーヴが出るか楽しみにしながら、集めて飾るのも素敵ですね。

日本のガレット・デ・ロワ? お正月のお菓子「福徳せんべい」

余談ですが、フランスのガレット・デ・ロワを食べる習慣に良く似たものが日本にも存在します。石川県・金沢市にある老舗、落雁諸江屋の「福徳せんべい」です。

こちらもお正月ならではのお菓子で砂金袋、打出の小槌、福俵の形をした最中の中に2センチほどの可愛らしい金菓糖(砂糖菓子)もしくは土人形が入っているというもの。藩政時代から続く伝統のお菓子で、こちらは全ての最中に必ず何かが入っているというものなのですが、何が出るかワクワクしてしまいます。

ガレット・デ・ロワは古代ローマ時代から続くものですので、何らかの方法で日本に変わったかたちで伝わったのかも?なんて考えてしまいます。
形は変われど同じような習慣・文化が根付いているのは興味深く、面白いですね。

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