今後の社会はインフレ社会(投資しないことによるリスク)
新型コロナウイルスの世界的大流行により一時経済活動は完全に停止し、私たちの日常は大きく変化しました。また、感染拡大の第2波リスクが懸念されるなど、今後の経済活動にも影響が及ぶ恐れも指摘されています。
こうした、世界が混乱しているなかで、投資はしないほうがいいのではと考える方もたくさんいらっしゃると思います。では、本当に投資をしないほうが賢明な判断なのかどうかインフレ社会の観点から説明したいと思います。
⑴各国がお金の量をどんどん増やしている(ヘリコプタ-マネー)
新型コロナウイルスの影響により米連邦準備理事会(FRB)が国債などの無制限購入や、欧州各国の財政支出拡大にあわせて欧州中央銀行(ECB)が国債などの購入額を大幅に増やす政策を決めるなど各国でヘリコプターマネー政策がとられています。日銀でも上限を設けず、必要な金額の長期国債の買い入れを行うとするなど、今世界ではお金がどんどん刷られています。
(お金の量が増えるとはどういうことか)
イメージしやすい例としてダイヤモンドで考えてみましょう。
どうしてダイヤモンドは価値が高く高値で売買されていると思いますか?
これは、ダイヤモンドは希少性が高く世界で保有できる量に限りがあるからです。
では、ダイヤモンドの流通量が増えて、誰もが保有しているとしたらどうでしょうか。世界中の人がダイヤモンドを身に着けている世界をイメージしてみてください。この世界ではダイヤモンドの価値は下がります。希少性がなく、量も多いからです。
この考え方はお金にも同じことが当てはまります。お金がたくさん印刷されお金の量が増えるとお金の価値は下がるということです。
⑵アベノミクスはインフレ(お金の価値が下がる)政策
アベノミクスとはデフレ経済から脱却するためにインフレターゲット(物価上昇率に対する目標)が設定された金融政策です。物価上昇率を2%の目標を掲げています。
インフレが起きると物価が上昇するとよく説明されますが、物価が上昇するということはお金の価値が下がるということです。
「インフレ=お金の価値が下がる」これを必ず覚えてください。
仮にアベノミクスで掲げている物価上昇率2%が実現した場合、(実際に目標は達成できていない)貯金しているお金はどうなっていくか次のグラフを見てみましょう。(グラフは物価上昇率0%から3%)
この表からみてわかるように、アベノミクスによるインフレ誘導政策は実は貯金をすると、お金の価値が下がっていくということがわかります。同じ1000万円を貯金していても物価上昇に伴い、年を追うごとに実質的に1000万円の価値を保ち続けることはできません。
投資をすることは怖いと考えて貯金をしている人はまずこの事実をよく理解するべきだと思います。銀行口座の残高の数字は増えていても実際の価値は下がるということです。これが投資をしないことによるリスクです。
また、こちらのチャートを見てみると、アベノミクスから円安が進んでいることがわかります。アベノミクス前1ドル80円から円安が進み2015年には1ドル120円まで円安が進んでいます。以前中国の爆買いなどという言葉が流行しましたが、これは当然のことで日本に行けばものが安く買えるからです。円の価値が下がったので依然より安く日本の商品やサービスを買うことができるからです。旅行客が増えたのもそのためです。また、日経平均株価が上昇した要因はこうした割安になった日本を海外投資家が投資するようになったからです。
⑶インフレ(お金の価値が下がる)にどう対応することが求められるか
インフレ対策として効果を発揮するのは不動産投資です。
家を借金して買うなんて。となかなか決心がつかない方もいるかもしれませんが、はたしてそうでしょうか。
むしろ不動産投資がほかの金融商品と決定的に違うメリットは借金ができることです。
例えば株や金を購入して投資をしたいと銀行に話しても銀行はお金を貸してくれません。でも不動産は違います。お金を借り入れて不動産(現物資産)を手に入れることができます。フルローンで組めばほとんど手持ち資金がなくても何千万という資産を手にいれることができます。
例えば2000万円の家を銀行の融資を得て購入し、インフレにより物価上昇が起きた家の価値が3000万円になったとします。それでも、銀行に返すお金は2000万円のままなので、1000万円の利益がうまれます。(単純計算)
何度も言いましたがお金の価値は下がり物価が上昇するであれば、早いうちにお金を借り不動産を購入し、返済は何十年もかけて返済するわけですから、インフレが起きお金の価値が下がれば下がるほど、当時借りた返済額は実質少なくなります。そして、インフレは物価上昇を引き起こすつまり、不動産の価値は上昇することになります。(借金額は減り、現物資産価格は上昇する)
借金という言葉を聞くと悪いイメージを持ちがちですが、インフレ経済の中で必ずとも借金が悪いとは言い切れないのです。また、日銀の金融緩和政策により銀行ローンの金利はとても低くなっています。借金して不動産投資をすることは1つインフレ対策になるのです。
今回一番伝えたいことは「貯金は安心。投資は危険だ」という固定概念をまずはなくすということです。
貯金は確かに銀行が倒産しない限り、預金額が額面上減ることはありません。しかし、口座預金に書かれている数字は減らなくても、実際のお金の価値はアベノミクスのインフレ政策や新型コロナウイルスの拡大により世界中でお金が刷られお金の量が増えることにより価値が下がっています。今後いっそう現物資産への需要が高まることが予想されます。
そのことをいち早く理解し、株式や金や不動産などに投資するという選択肢を広げていくことがこれからの社会を生きていくうえで必要であると考えています。