国が始めた金融経済教育、「J-FLEC」のマネープラン教材が面白い!!
こんにちわ。今日は、息子が通っている学校の公開授業日があり、高校2年生の生徒が3時間の特別授業を受けていました。いよいよ、お金の教育なるものが学校の現場でも始まったのだなと、ちょっと感動。高校の家庭科の授業では昨年から必須科目となっているものの、こうやって課外授業的に座学でない形で学ぶ機会もどんどん増えてくるのだと思います。
使っていた教材とプログラムは、2024年の8月に開始された金融経済教育推進機構(J-FLEC:Japan Financial Literacy and Education Corporation)の、一般公開しているプログラムです。これを使いながら先生が3クラスでワークショップを回していました。先生にとってはゲームを使うのも初めてでしょうし、四苦八苦されていたと思いますがお疲れ様でした。
J-FLECからはワークショップ形式のプログラムは5種類ぐらい公開されていますが、本日使っていたのはこれです。
生活設計・マネープランですね。このプログラムは、使うべきシートやパワポ、進行用の台本やが全てHP上に公開されているようです(他のプログラムは、問い合わせをしてから資料が手に入るようで、HPで確認をするのは難しいですね)。内容の概要については、以下、HPより抜粋します。
””カードを引いたり(偶然性)、カードを選んだり(選択)することで、収入と基本生活支出の他、結婚・子ども・住居・ イベント&アクシデントといったライフイベントの内容とそれに伴う費用が決まります。また、イベントに応じて「思い出ポイント」を貯めることで、人生お金(貯蓄)がすべてでないことも体感できるようになっています。
発表・記録・計算等のゲーム上の役割を分担し、4~6人の班を作って行うグループワークで、生徒が主体的に取り組むことができる体験型教材です。””
とのこと。20代〜50代までの、ライフイベントを意識してライフプランに向き合う教材になっています。ファイナンシャルプランナーの資格などで学ぶものですね。
生徒が使うカードやシート、先生が投影するスライドも全て用意されているので、それほど準備なく進められそうです。素晴らしいー。私もゲーミングのワークショップをよく作るので、これを固めるのって大変なんです。作成者の方、お疲れ様です。。
実はといいますか、私はこのようなライフプランという考え方はあまり好きではなく、中高生に教えるのは意識的にやめています。理由は、国家や資本家という富裕層(株主)のための従順な納税者/労働者としての人生を刷り込んでしまいたくないからです。就職して、結婚して、家を買うか決めて、子供を育てて、引退して、というライフイベントに向き合わなくてはならないという刷り込みは避けたいなと。それら大きなライフイベントに対して必要なお金の概算を知っておくのは良い事と思いますが、画一的な人生が基本の型であり正解のように見せてしまうのは、人生の自主性や当事者性を大きく奪ってしまうと思うのです。例えば、日本人全員がこれを刷り込まれてしまうと、お金の管理は上手になるのでしょうが、レールを外れないような人生を送る人が増えては本末転倒だなと。
ただし、このプログラムは、そういう私の懸念も絶妙に回避しているように見えました。勤め人、起業、フリーランスまで、さまざまな職種があることを前提としている。その上で、税金や社会保険が存在することを意識させたり、大きなライフイベントに対して必要なお金の概算を紹介していく。そして、年老いた時の、貯蓄と想い出ポイントと対比させているという点です。
ゲームという楽しみのなかで緩く教えるのも良い。そのような前提で、収入と支出という家計管理に向き合ったり、長い人生とお金の付き合い方を意識してもらうことは、個人が自立する初めの一歩として教えておくのは良いことに思いました。ただ、やっぱ自分で実際に体験してみないと全体像はわからないので、近々、私が定期で開いているお金の勉強会の集まりで実験開催してみます。
ところで、このJ-FLECは8月に各年代別の金融教育教材のスライド集を発表しています。
学生は小学生から大学生まで6段階、ついで10~20代用、30~40代用、50代用、シニア用と一般の方は4段階に分けて、資料を整備してくれています。
内容について細かいこと言えば、人それぞれ言いたいことはあると思いますが、ウェルビーイングに必要な一般的なお金の知識を網羅してくれる非常に良い資料と思いました。「教える教材はもうある、あとはやるだけ」という段階に来ていると言えます。
そして、公教育や一般的に伝える金融教育の内容をJ-FLECさんに見せてもらったことで、僕が「人生とお金の学び場」として用意している10のプログラムの立ち位置もより浮かび上がってきました。社会、歴史、自分という軸をもって、これからも投資の本質にオリジナルで向き合っていきたいですね。
本日は以上です。