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SBGの決算から学ぶべきこと
反省するのは2 期連続。
SBG(ソフトバンクグループ)の2023年3月期の第一四半期の決算発表がありました。結果は惨憺たるものでした。
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20210208_01
これが半年前の決算発表。
ここから
![](https://assets.st-note.com/img/1660208659337-a0cWD0vjGW.jpg?width=1200)
こうなりました。
主な原因は
・世界的株安によりビジョンファンドの投資損失が拡大したこと
・SBGが志向する成長銘柄の停滞、暴落、新規投資案件の減少
などが挙げられます。新たに稼ぐことができず、既に抱えているものが大幅な評価損となればマイナスは拡大します。
同じく投資事業を行なっているバークシャー・ハザウェイも同様に保有株の含み損により赤字決算となっています。
ただし、バークシャーは営業損益が黒字でした。事業としては黒字だったということです。
また、SBGは決算を受けて株式売却を行なっています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC10A300Q2A810C2000000/
ここから個人投資家が学ぶべきことが分かります。
1.損失局面における「インカムゲイン・キャッシュフロー」の重要性
バークシャーは、ウォーレン・バフェットが「フロート」と称しているキャッシュフローが潤沢なことで知られています。
例えば保険事業において顧客が支払っている保険料などが該当します。
保険金は全ての顧客が一度に全額払い出すことはあり得ないため、一時的に現金としてストックすることが可能です。
また売掛金を現金化するまでに時間がかけられる場合、そういった資金を「投資資金に充当」しています。
このため、バークシャーは「常に現金を持っている」ことが可能です。手元の株式を無理に売却することなく下落局面で投資することができます。
一方でSBGは「株式を売却して投資資金を捻出」しています。
ピーター・リンチは良い銘柄を安易に手放してしまい、ナンピンする愚を示す言葉として「花を引っこ抜き、雑草に水をやる」という表現を用いています(この表現はウォーレン・バフェットがとても気に入ったとのことなので、バフェットの投資方針にも反映されていると捉えて良いと思います)。
収益をあげている銘柄を売却し、損失をカバーするのは下策。
損切りをするのは中策。
「安易に売らずに、下がった良い銘柄を買い増す」のが長期投資においては上策です。
上策を採用するにはキャッシュが必要で、ここでインカムゲイン・キャッシュフローが重要になってきます。
暴落時に手元に現金があれば買い増しが可能となりますが、「暴落が起きないと現金のまま残ってしまう」のが難点です。
手元に50万残したままより、毎月10万円のインカムゲインを定期的に投資した方が「いつ暴落が来ても少なくとも10万円投資資金がある」状態が維持できるので、資金を捻出するために株式を売却する必要がなくなります。これがSBG決算から学ぶことであり、バークシャー(バフェット)から学ぶことでもあります。
SBGはコンスタントにキャッシュを稼ぐ事業は行なっておらず(強いて言えばソフトバンク・モバイルですが、通信事業はコストがかかります)投資資金を株式売却益から捻出するか、債券を販売するケースが多く、今のようなマーケットが活況では無い時期に苦戦を強いられます。
2.グロース・小型株依存のリスク
もう1 つはSBG(ビジョン・ファンド)の主戦場がグロース企業・グロース銘柄である点です。偏りが非常に大きく、グロース銘柄が不調な時期にマイナスが拡大することになります。
投資サイクルはバリューとグロースが行ったり来たりするものです。バークシャーはバリュー銘柄メインのためここ10年はさっぱりでしたが、それでもアップルをはじめ主力の銘柄は「まだ価格が低いうち」に購入しているため安全域と呼ばれる価格下落の許容幅をたっぷりと確保しているので、ダメージは最小限に抑えられています。
SBGはAIを始め、これから伸びていくことが期待されるジャンルに多額の投資をしており、当たれば大きいのですがグロース株が時に50%以上の下落を食らうようにマイナスも大きくなってしまうのが特徴的です。
個人投資家であれば損切り判断が必要ですが、グロース株が当たるのはそれなりに時間がかかるケースが多いため、痛みに耐えながら投資を続けるのは実は結構大変です。
グロース株メイン、小型株メインのポートフォリオを推奨する方は多いですがSBGのように強烈なマイナスを食らって退場することを覚悟する必要があります。
・ポートフォリオにいくらか優良株、大型株を混ぜる
・分散投資を徹底する
・グロース投資の損失許容額を決めておく
・失ってはいけない資金を注ぎ込まない
など工夫をしましょう。
SBGは投資先としては微妙だと思いますが、孫正義氏の振る舞い含めてSBGの投資行為は「反面教師として」個人投資家として学ぶべきことは多く、観察先としては最適だと思います。
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