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どうなる?米大統領選後の相場

「選挙は買い」の株高アノマリー敗れたり!
ということで、約半世紀続いた株高アノマリーは崩れ、先週の日経平均株価はジリ安が続きました。
そして注目の衆院選は事前予想通りの与党過半割れ。

この結果を受けて週明け10月28日の日経225先物は10月25日の夜間終値から510円安で寄付、売りを誘う展開となりました。

アノマリーや円安を無視した株安で私を含め身構えた市場参加者は多かったはず。
しかし、現物市場がオープンすると日経平均株価は急速に切り返し、その後も堅調に推移。
先週の下落分を全て挽回し10月16日の終値(39180円30銭)も上抜けて来ました。

日経平均株価 日足チャート

ちょうど1週間前の10月23日まで日経平均株価は日足のローソク足が11日連続陰線が示現し随分と低迷が続いたような錯覚をしそうになりますが、日経平均はつい2週間前の10月15日に40257円34銭の直近高値をつけています。
10月15日の大引け時点で私は慎重なスタンスを維持しつつ

「米株高が続けば日本株は大して下げなさそうだな」
「選挙アノマリーやはり強いな」

と感じていました(笑)
市場心理など値動き次第ですぐに豹変するものだと改めて痛感しますね。
・・・しかし、日経平均株価は翌16日に急落します。
この日の急落要因はオランダの大手半導体製造装置メーカーASMLの決算後の急落、
そして米政府の中東への先端半導体の輸出制限検討という報道でした。

この時点では政局不安よりも、日経平均株価を押し上げていた半導体株安が懸念要因だったのですが、衆院選が近付くにつれ政局を株安要因とする声が増えていきました。

10月30日の東京市場では半導体株のディスコが急騰、アドバンテストが上場来高値更新、レーザーテックも大幅高し16日のASMLショックを忘れたかのような動きとなっています。

フィラデルフィア半導体株指数 日足チャート

ただ、フィラデルフィア半導体株指数はまだ高値更新できていません。

エヌビディア 日足チャート

昨年から全体相場を牽引してきたエヌビディアは過去最高値圏ですが、このところは高値圏でもみ合いが続いており、一方的な上昇にはなっていません。

衆院選後のアク抜け的な上昇で再び楽観的な声も出始めましたが私はまだ慎重なスタンスです。

さて、お題にもした米大統領選後の相場ですが、予想は出来ません。
ハリス氏とトランプ氏、どちらが勝つのかも分かりませんし、どちらが勝った場合に米国株がどう動くのかも予想出来ません。

改めて前回、前々回の大統領選直前の状況を振り返ると、
前回の大統領選前2020年10月末は欧州でコロナ第2波が広がりを見せていたことや、決算が非常に悪かったこともあって二番底警戒から株価は調整していました。
しかし、大統領選とほぼ同タイミングでコロナワクチン開発に成功というサプライズが出てワクチン相場とバイデノミクス期待で大統領選後は急騰。

前々回の2016年10月末はトランプリスクでダウ平均はダブルトップのような形状。先安警戒感が漂っていました。
で、大統領選当日はトランプ優勢と報じられ東京市場は急落。
しかし、トランプ当確が決まると米株市場は急騰。
翌日の東京市場は急反発となっています。

今回が直近2回の大統領選と違うのはダウ平均、ナスダック、S&P500、全て過去最高値圏で警戒ムードが殆ど漂っていません。
総楽観とまでは言いませんがFear & Greed Indexは60と強気に傾いていますし、そこが気になります。

米10年債利回りも高止まりしていますし、悲観に傾いていた前回や前々回の大統領選よりも不確実性は高いとみています。

2016年5月6日の『週刊ダイヤモンド』特別レポートから

ちなみに上は8年前の週刊ダイヤモンドの大統領選前のレポートから抜粋したスクショです。
「日本には悪影響」と書かれていますが、結果はご覧の通り。
ですので、こういう事前予想は殆ど参考にならないと思います。

ハリス氏とトランプ氏の経済政策 AFP時事作成

今回はトランプ関連銘柄が急騰しており、現時点で市場はトランプ優勢とみているという声が出ています。

ただ、政府債務の膨張が問題視され始め、長期金利も上昇しているこのタイミングで仮にトランプ氏が勝利し更に減税、財政をふかしたとして、本当に大丈夫なのだろうか?という一抹の不安が拭えません。
どちらが勝っても、一波乱ありそうな気がします。

ということで、ここはヤマは張らず大統領選後の反応を見ながら対応していきたいと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。





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