博論単著謝辞に関する統計
そろそろ科研学術図書で出版する人の入稿時期のせいか、謝辞について訊かれることが増えてきました。曰く、書いてみたらものすごい人数になってしまいました、と。そこでとりあえず家にある博論出版本(博論そのまま本もあればウルトラ魔改造版もあると思われますが)を集めて、謝辞にどういう関係の人が何人出てくるか数えて見よう、と思いつきました。手元にあったのは以下の本です。著者と書名は、自分のもの以外は伏せます。
全部中国関係で、見事に内容が偏っているので、業界の違う方には全然役に立たない模様です。なお、AとB以外は著者は日本人。A~Fは出版時に専任職なしの方の著作です。価格は「謝辞に書いた人に献本することを考えると、値段の高い本を出した人は謝辞に挙げる人の人数を絞るかもしれない」と考えてピックアップしてみました。結果は以下の通りになりました。
個人名(家族の場合続柄)が挙げられる方のみをカウントしました。また分類については私が分類したので、著者にきけば「違う」という可能性もあります。
この表から読み取れること
・指導教員・博論主査と学恩のある先生と出版社の人への献辞はマスト。
・家族を書く人は意外と少ない。
・博論副査は出さない人もちらほらいる。ただし「学恩のある先生」に含まれている可能性がある。
・博論副査を入れると、人数が多くなる。
・本の価格と謝辞に挙げる人数は関係ない。
・専任職になっても、人数が減るわけではない。若い専任の人は謝辞に挙げる人数が少ないが、定年前後に出版した人は沢山挙げるようである。
人数コントロールの鍵は、博論副査のようです。博論副査は4人ですが、博論副査を入れなかった人と入れた人を比べると、プラス4人どころではない差がついています。これは「博論副査を入れると、博論副査よりもっとお世話になっている先生方を是非出さなければならない」となるからと考えられます。謝辞のボリュームを調整する場合、「博論副査を入れなければならないかどうか」を考えて見るべきしょう。
※本が見つかるたびに表を追加していますが、分析にはあまり変化はありません。