『空気を変えるすごいひと言』の書評への返歌 #1
12月に「一流ファシリテーターの空気を変えるすごいひと言」を出版した。
嬉しいことに、思っていた以上に反響が大きく、発売即重版となり、様々な方が書評を書いてくださっている。
怜悧な友人の鋭い書評
市瀬 博基氏もその一人だ。
コーチ仲間の古い友人であるが、鋭い切れ味なのに、柔らかくわかりやすい語り口で大好きな友人だ。
彼がNoteで書いてくれた『中島崇学さんの「空気を変えるすごいひと言」を読んで考えたこと』の内容が素晴らしく、刺激を受けたので、何回かに分けて書いてみようと思う。
ため口は上目線になりやすい
まずはその中で取り上げられていた「ため口と上目線の関係」について鋭い指摘があった。
「対等な相手と話をするときは、お互いに相手が自分より目下の者であるかのようなことばを使う」とのこと。
だから、ため口だと、とかく見下したような表現になりがちで上目線になることを気をつけなければならないとある。確かに日本語はそういう特徴がある。
では、私の実践では?ため口を効果的に使うことは、結構ある。
その部分を掘り下げてみた。
上目線の分かれ道は他人事であるかどうか
日本語は、ため口だと上目線を感じてしまうのか。
そんな窮屈なものだったのか。
一方で、きちんとした丁寧語なのに、上目線を感じてしまうことがある。
慇懃無礼ってやつだ。
そうなると、上目線かどうかは、ため口か丁寧語か、だけではないようだ。
その分かれ道は何か。
おそらく根底に「他人事」があるがどうかではないか。
「自分は、あなたとは違います。」その非言語メッセージが、「あなたより上にいます」と聞こえ、上目線につながっている気がする。こうなると、ため口か丁寧語かという問題ではなくなる。
WEメッセージのすすめ
私がため口をきく時は、きまって主語が「私たち(WE)」になったときだ。
いわば、他人事ではなく「自分たち事」にして使っているということだ。
そんな風に意識して使っていることに自分で気が付いた。
自分たち事になれば、人は丁寧語から「尊重」を感じ、ため口から「親近感」を感じるものだ。特に、表現に端的さやインパクトを出したいときは、ため口の方が効果的な場合が多い。
困ったらWEメッセージだ。それなら、丁寧でもため口でも、乗り切れる。
「一流ファシリテーターの空気を換える凄いひと言」出版を通じて、素敵な友人からの鋭い書評をいただいたことで、言葉について、私自身の気づかぬ視点から考察することができた。
こうしたやり取りで、一番学んでいるのは著者である私自身かもしれない。
ありがたい話である。
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