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【第44話】いざ渋峠! "雪の回廊"を見に行こう!
みなさんこんにちは。
GWを利用した群馬・長野ツーリング。国道最高地点を目指してヒルクライムします。前回は志賀草津道路の起点である草津温泉へやってきました。
はたして登頂は叶うのでしょうか!?
そして、どんな景色が待っているのでしょうか!?
▼前回のおはなし▼
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(今後の投稿のネタバレになります…)
どうか殺生はやめておくれ
草津温泉を出発し国道292号へと出た。この辺りは標高1200mということもあり、もう5月だというのに、葉を落とした木々の姿は冬のようだった。ここから250mほどアップすると視界が開き始め、前方には険しい山々が聳えて見えた。草で覆われた山裾には、まばらに残雪が見られる。森林限界を突破し、山岳地帯の風景へと一変した。何度か休憩を挟みながら、着実に標高を上げていく。しばらく進むと、灰白色をした火山地帯へ突入した。ここは殺生河原といい、無数の噴気孔から硫化水素の蒸気が噴出する場所だ。臭気の強い毒ガスが漂っているので、長居は厳禁だ。
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終わりのないヒルクライム
斜度は約6%と良心的だが、いかんせん距離が長い。スタートの草津温泉から殺生河原まで9㎞・500mアップ。標高で言うとさらに500アップ待っているので、ちょうど中間点といったところだ。ただ景色は素晴らしく、いっさいの樹木が生えていないため、常に山々の大パノラマを見渡すことができるのだ。急カーブを抜ける度に見える風景は変わり、まったく飽きることがない。だが、景色を楽しんでいる余裕なんてなかった。前方に立ち塞がる山には、断崖にへばり付くように道路が走り、これが残された行程なのだと思うと気が遠くなってくる。坂を登り切ったと思ったら、また遠くの山に登り坂が見える。本当、この山登りは無限に続くのではないかと思われた。
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雪の回廊と国道最高地点
スタートから15㎞、850mほどアップしたあたりから積雪が多く見られ始めた。雪の回廊も近づいてきたか。さらに100mアップ、ついに雪の回廊へと到着した。高さ5mはあっただろうか、人の背丈の3倍を超える白壁が道路を挟むようにそそり立つ。雪の回廊を抜け、もうひと登り。進行方向にバイクが数台駐車しているのが見えた。車が何台か停められるほどの展望所には、何か文字の書かれた石碑が立っている。そう、「日本国道最高地点」だ。ついに到達した。標高2,172m、国道で最も高い場所だ。草津温泉から約19㎞・1000mアップ。出発して3時間ばかり過ぎたところだったが、とてつもなく長く感じる道のりだった。
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越境! 群馬から長野へ
ここが最高地点ということは、もう登りはないということだ。もうペダルを漕がないでいい。重力に身を委ねるだけで前へ進める。景色を楽しむ心のゆとりも生まれ、カメラを片手にパシャパシャと数枚走り撮りしていると、前方にロッジ風の建物が見えた。ここが群馬と長野の県境にあたり、この建物はツーリスト向けのドライブインというわけだ。こういう所では、必ずカレーうどんを頼んでしまう。おかげで少し冷えた体はホカホカと温まった。さあ、下山だ。風を切るように幾つものカーブをターンし、みるみる標高を下げていく。先ほどまでは雪に覆われた冬の景色も、気がつくと緑が芽吹く春の里の風景へと姿を変えていた。ちょうど道の駅が建っていたので、休憩に立ち寄ることにした。
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さて、ここからは3人のメンバーに別れを告げ、一人ほかの道を選ぶことにした。本当に自己満足の世界だが、「過去に通った道の続きを走る」というモットーのもと、何の観光地でもない、ましてや帰る方向とは全く逆にあたる飯山市を目指したのだ。特に見どころもなく15㎞自走し飯山駅へ到着、北陸新幹線で東京へと帰路に着いたのだった。
今回の舞台は志賀草津道路。
この場所が多くのツーリストを魅了して止まない理由が、よくわかった旅程でした。
次のお話しは、絶景道路を求めて栃木県へ。
またお会いしましょう!