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2016年4月の記事一覧
第十三話 思い出の海
「忍、どうだった」
パーティー会場の様子を確認し戻って来た綾崎に気づき、上総が周りの来賓に断ってから早足に歩み寄った。
綾崎は素早く辺りを窺ってから、表情を変えないままに頷く。
「やはり、お姿が見えません」
「……そうか」
誰が、とはどちらも口にはしなかった。
声を潜めているとはいえ、どこで誰が聞き耳を立てているかわからない。
状況が状況だけに、注意しすぎるくらいでちょうどいいだろう。
避
「忍、どうだった」
パーティー会場の様子を確認し戻って来た綾崎に気づき、上総が周りの来賓に断ってから早足に歩み寄った。
綾崎は素早く辺りを窺ってから、表情を変えないままに頷く。
「やはり、お姿が見えません」
「……そうか」
誰が、とはどちらも口にはしなかった。
声を潜めているとはいえ、どこで誰が聞き耳を立てているかわからない。
状況が状況だけに、注意しすぎるくらいでちょうどいいだろう。
避