小笠原村滞在記③~大自然を享受、感じた恵み~
イルカのお出迎え
時間軸が多少前後するが、ははじま丸で母島にむかっていたときにイルカが游いでいるシーンに遭遇したッッ!
母島の島影が鮮明になってきたとき、二頭のイルカ(この二頭はつがいなのだろうか?)が船首を横切るように游いでいったのです。
船首からその光景を見ていたのですが、まるで「ようこそ母島へ!」と言っているようなお出迎えだった。
どうやら聞いたとこによると、この時期、2~3月は、イルカやクジラといった水中に生息する哺乳類達が小笠原の近辺で繁殖するのだという。
船に乗っているときには、クジラが潮をふいている光景も遠目ながらみることができたので、ホエール&クジラウォッチングをしたい人は、ぜひ春先に小笠原に足を運んでみてはいかがでしょうか!
さざなみの音
沖港の先端付近に、鮫ヶ崎と呼ばれるちいさな岬がある。(上記の写真の左側の先端部)
海原や、妹島などの無人島のパノラマビューを望むことができ、後ろを向けば、沖港と母島の集落を望むことができる見晴らしの良い場所です。
作業が終わり、夕飯とシャワーを済ました夜21:30ごろに、一人で鮫ヶ崎に向かう。
鮫ヶ崎からみえる、 月光に照らされた母島の海は、うっすらとその姿を視ることができます。
さらにさざ波の音と相まって、まるで母親の胎内にいるような、なんとも言えない至上の一時をすごしました。
息を呑んだ美しい風景
「人生で見た一番美しい風景はなんですか?」と、尋ねられたとき、皆さんは何を想い浮かべますか?
僕は、間違いなく「雨上がりの朝に、母島の乳房山山頂付近から見た景色」と答えるでしょう。
眠い目をこすりながら、早朝に起床し乳房山へ向かう。
乳房山は462.6m。山頂までは、早く登って一時間半から二時間かかり、早朝だったことも相まって、途中、若干意識が朦朧としながら山頂まで登りました。
山頂へ登頂したときはまだ完全に日が出ておらず、雲もでていたので、「これは朝日は拝めないのかな?」などと思っていたのですが・・・
「朝日だッ!!」
登頂から一時間くらい経った後だろうか。雲が徐々にはけて、残った雲の隙間に朝日がのぞき込むようになりました。
「美しい」
ただその一言で全て説明がつく風景。
あまりに神々しかったので、一緒に登った他のメンバーと同様に、静かに、大自然の息吹を感じながら10分ほど静かにその風景を眺めました。
自然にとけこんだ遺物
母島は第二次世界大戦の太平洋戦争時に、アメリカ軍の侵攻に備えるために島内の各所に要塞と高射砲が設置されました。
母島から約230㎞離れた硫黄島では、太平洋戦争で最も激しい戦いといわれた硫黄島の戦いが旧日本軍とアメリカ軍で行われました。
上記の写真は、森の中にある高射砲の遺骸です。
80年近くも前に造られたにも関わらず、人が乗ってもびくともしません。
自然の中に歴史を感じることも、また母島の魅力です。
心を浄化してくれる自然の作用
(↑父島を出港するおがさわら丸を見送る父島の住民たち)
自然の中にいるととても落ち着くのは何でしょうか
特に都市部の人々は、普段は申し訳程度に道端に植えられている木々が自然とイコールの認識になっているのだと思います。
しかし、人との本能的なものでしょうか、自然に触れるとどんな人でも不思議と心が癒されるものです。
便利さを追求した都会と、自然を取り込んだ生活を求めた田舎。
どちらがよく、どちらが悪いとは人によって十人十色、千差万別です。
ただ、一つ言えるのは、人は人である限り、自然を本質的によいものと感じることだと思います。
生身の肉体と、人の精神、そして自然は調和しているのだと、この母島での暮らしを通じて感じました。
少し河川敷に行ったり、公園に行ったりなど、都会にいる人でも自然を感じることは、ほんのちょっとの意識の工夫で実践できます。
また、思うように外出できないこのご時世でも、youtubeなどで検索すれば自然を撮った動画がいくつもあります。
日常的に、あなたの心に自然をとりいれてみてはいかですか?
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