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人生は長いのか、短いのか

50歳。人生あと半分もあるのかと思うと憂鬱です。

そんな記事を見かけた。
人生100年時代。
誰もが100歳まで生きるのだとしたら、50歳はその中間点だ。
あと半分もある。
もしそれまでの人生が少しでもつらいものであったなら、暗澹たる気持ちになるのもわかる。

だが、統計的には、100歳まで生きるのは男性で1%、女性は6%だそうで、自身が100歳まで生きる確率はかなり低い。
とはいえ、女性の2人に1人は90歳まで生きる時代らしくて、だとすると、あと40年(50歳ならば)。
長いのか、短いのか。

今朝の日経新聞の一面には、「進撃のクマ、30年後は都市占拠か」の見出し。
「30年後?もう生きてないからいいや」(よくないけど)と言いかけて、「え、待って、30年後?生きてるかもしれないよね」「都市ってどこの都市?」と夫と話をした。
幸いというべきか、山のない関東平野にはまだクマはいないようで、首都圏がクマに占拠されることはなさそうだけど、東京を少し離れただけで、町の中をクマがうろうろしていたら、それは怖いわ。

いや、本題は今はクマではない。
還暦過ぎた私があと30年生きる確率は二分の一。
あと30年生きると思うと長く感じるし、もう30年もないと思うと短く感じる。

60歳にもなると、突然病が発覚して、その後の予定が狂ってしまう人も増えてくる。
著名人のそんなニュースを立て続けに見ている気がする。
60歳でなくても、誰もが明日のことはわからない。
そのことを、折に触れ思い出し、だから今日一日を一所懸命生きよう、一日一日を大切にしようと思うのに、改めた心をすぐに忘れるのはどういうわけか?

35歳で亡くなった料理研究家の高木ゑみさん。
病発覚から亡くなるまで半年ぐらいしかなかった。
まさかの展開に、SNSをフォローしていた一ファンとして信じられない思いだった。
そのゑみさん、最後に家族に「やり残したことはある?」と聞かれ、「ない!何にもない!」ときっぱり言い切ったという。
35歳という若さで、そう言い切れることの清々しさ。
でも、ゑみさんのブログを読んでいると納得できる。
彼女はいつも自分のやりたいことを全力で楽しみ、努力し、成し遂げてきた。
いつ人生が終わっても、「ああ、楽しかった!」そう言い切れる生き方をしている。

結局のところ、人生は長い短いの問題ではないのだ。
あと何年あるのかなんて考えることに意味はない。
わからないのだから。
明日のことは誰にもわからないのだから。

今やりたいこと、今日やりたいことをすぐにやる。
私は計画を立てるのが好きで、例えば、「午前中は勉強」と決めたら、気になっていることがあっても、すぐにやりたいと思っていることがあっても、それを先送りしてしまう。
そうやって机に向かっても、すぐに思考がよそへ飛んでしまって、あまり集中できない。
ならばまず、その日、その時に「やりたい」と思っていることをやろう。
そして、そう遠くない将来に「楽しみ」を置いて、その日に向かってがんばろう。

50代はじめに病気になったとき、早期リタイアして故郷で念願の珈琲店を始めた友人が、「とりあえずあと5年、がんばろうと思う」と言うのを聞いて、とても気が楽になった。
あと5年。それならがんばれるかな、と思ったから。
その5年はとうに過ぎて、あのときの新鮮な気持ちはどこへやら。

もう一度、もう一度、と何度言えばおさまるのかわからないけれど、とにかくもう一度、心構えを新たに。

まずは10月23日(大好きないのうえ彩さんの個展初日)。
その日を元気に迎えられるように。
今日一日をきちんと意識して過ごそう。

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