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読書の春 〜思いがけない出会い〜

本が届きました。
奈良の大和郡山にある小さな本屋さんに注文していたもの。

最近、下手くそな絵を少しずつ描き始めたので、この装画と、文豪の短編を一作ずつ読めるという洒落たデザインが気に入って取り寄せました。
想像以上に素敵な本で大満足。

梶井基次郎の『檸檬』なんて、読み終わってしばらくしてから腹の底からふつふつと込み上げくるような可笑しさがあって、つくづくあの時代の作家はすごいなあと思います。
刺激的な事象や煽るような文体を使わず、ただひたすら淡々と、趣のある確かな日本語で語りかける。「うまい」としか言いようがないし、頭を程よく回転させなければ、じっくりとは味わえない深み。

『檸檬』が収録された文庫本は、やはり装丁が気に入って持っているのですが、今回手元に届いたものはまた格別。絵葉書のような封筒のような紙の袋の中に、じゃばら折にされた小説が入っている。

これ、プレゼントにもいいのではないかな。
わかってくれそうな人に贈ってみようかな。

去年の今頃は、まだ資格試験の勉強をしていたなんて、自分自身でびっくりなのですが、それを手放してからバタバタといろいろなことがあり、少しずつ身の回りが落ち着いてきたいま。
これまではテキスト以外の本を読む時間なんてゼロというぐらいなかったけれど、これからはどんどん読む。
小説、エッセイ、詩、短歌、俳句。
そして、絵を描く。字を書く(ガラスペン、書道)。
心惹かれるものに素直に。
ずっと先のことは考えず。

P.S.
文鳥文庫第四弾「果実」の装画は油絵らしい。
画家は今井麗さん。
なんと生まれつきの難聴者だそうで、勝手に親近感。
国内外で大人気の画家さんらしい。
今まで知らずにいて、何ともったいないことを!
脚本家の桑原さんといい、最近、いいなあと思って近付いた先に難聴の同志(と呼ばせて)がいることが多い。

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