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×別×××

男になりたかったかもしれない。いや、本心かはわからない。

女というだけでおもしろいことをしても笑ってもらえない。少し言葉遣いが悪いだけで女だからと怒られる。正直ただ普通の日々を送る分には私はなにも困らない。そこまで気にして生きていない。でも中学生になってからたくさん女だからを押し付けられてうんざりしていた。でもその前から女である自分に対して違和感は感じていた。家にあるスカートとかリボンとか、ワンピースとか全部全部段ボールにしまった。目に見えるところにあってほしくなかった。きっと女である自分に違和を感じたのはそれこそファッション誌を見ていたからだろう。小学生向けのファッション誌はかわいいの押し売りがひどくて、メイクが濃くて、スカートに肩出し、女子向けとは言えど押し付けがましかった。親が買ってくれたから買ってもらってたし、途中までは本気で楽しく読んでたから仕方ないのかもしれない。

私の本名はきっとみんな知らないと思うけど、親は女だろうが男だろうがこの名前をつけたらしい。だからきっとどんなで生まれようが、その家に生まれた時点でこの運命は変わらなかったのかも。

最近は前ほど性別に置いていかれるようなことはなくなったから、全部ほどほどに付き合ってる。でもやっぱり時々男になりたい、でもやっぱり女になりたいとも思ってしまう。難しい。気持ちには嘘がつけない。

今日の私はひらりとスカート舞わせたい。

一昨日の私はそんなこと思わなかった。


男になれたなら、喉を枯らすような歌い方をしてみたい。ちょっとおもしろいことして周りの男子にヤジ飛ばされてみたい。みんなに優しいあいつみたいになりたい。

男になれなくとも、男子と仲良くできるようになりたい。SNS越しは大丈夫だけど、いざ一対一で話したり、会ったりなんては本当にできない。隣の席の彼とうまく会話ができなくて何度も困らせた。気持ち悪い敬語を使った文を送ってしまった。ごめんなさいのオンパレード。数年前まではそんなことなかったんだ。けどあいつが裏切ったから仕方ないんだ。

性別のせいで死んでしまおうと思ったことがあった。

死ねなかったけど。

いつか私は無性別になりたい。

性別聞かれたらちゃんと生まれた時ので答えるし、

誰かに迷惑かけるような人になりたくないけど、

無性別でいさせてほしいな。

女だからって私に期待しないでね。

私は私でしかないので。

私は今日も明日も、

男になりたい私と

女になりたい私を

抱えて生きている。はず。

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