「ゲーム機の恐怖」第十一話
変化
アンパンチ
はぁぁぁ助かった。アンパンチしてくるかと思ったぜ。
あはは。なんでぇ、あの野郎。俺の左コントローラー、ロー電源コードで伸してやろうと思ったのによ。俺にビビってやがったな。うん。
おぃコンちゃん!コントローラー!もう震えなくていいぞ。
俺が守ってやったからな!おぅ。
アルバム!てめぇは余計なこと言うなよ。留め具、外してやるぞ、この野郎。あはは。
それにしてもよ、チチオヤーはなんで何にも言わずに扉を閉めたのかね。確かに裕哉と目が合ってた。うん。だけどよ、何も言わずに向こうの世界に行っちまった。フシギダネぇ。
記録
裕哉、もう記録《セーブ》しておきな。秘書|には頼んどくからよ。
そう、そうだ。それでいい。
いやぁ、危なかった。今日は危なかった。危うくフネンゴミに行くところだった。
あれだな、記録|《セーブ》って便利だな。ほら、先代の頃はカセットっつぅのか?あれの中で記録してたからよ、よくその記録がぶっ飛ぶわけよ。そうなるとなんでか知らねぇがそのカセットっつぅのもぶっ飛ぶわけ。裕哉がぶん投げるんだけどよ。あはは。ありゃあ痛そうだったね。俺ぁ優秀な秘書がたくさんいるからよ、気楽で良いやな。
そうそう。ちゃんと電源消してアルバムを置いてな...。
まぁ今さらアルバム置いても仕方ねぇけどな。
近ぇよ、アルバム。それからな、反対向け!近ぇんだよ、湿っぽい顔でジーっと見られて眠れやしねぇんだ。俺ぁ繊細だからよ。な。
会話
ん?どした?昼前からチチオヤーが来てるぞ。なんでぇ、休みか?学校へ行けって言われてんのか。
んぁ?珍しく普通に話してやがる。
なんか雰囲気違くねぇか?
いや、ダメじゃねぇ。むしろ吉報だ。
・・・。
なんだよこの手は。え?またブチブチする気じゃねぇだろうな。
ん?違ぇな。電源スイッチ押したぞ。おぃ、コンちゃん、CPU!仕事だぞ!起きろ!
おぃ、見ろよアルバム。
あの、裕哉の顔!!!
あの、チチオヤーの顔!!!
えぇ?そっくりじゃねぇか。瓜二つとは言わねぇけどよ、そっくりじゃねぇか。笑ってるよ。笑ってるよ!笑ってやがるよ!!!
嬉しいね。盆と正月が一緒に来たようだとは言うけどよ。これはドラクエとポケモン同時発売みてぇなもんだな、チクショー。あぁ、やるぜ。俺はやるぜ。
おぃ、CPU!固まんなよ!コントローラー!てめぇ、投げられても寝たふりすんなよ!俺たちもまだまだ捨てたもんじゃねぇな、チクショー。
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