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植物たちは私の先生

お気に入りの観葉植物があります。
サンセベリアです。

購入したときよりも
ずいぶん成長して葉が大きく伸びて
植木鉢が小さくなり
しょっちゅう
その不安定さから倒れていました。

大きな鉢へと植え替えてあげたかったのですが
その元気がその頃の私にはなく
応急処置として
ゴミ箱大の容器に水を張り
土から上げて入れて育てていました。

それが
今年の連日の猛暑で根元がカビてしまい
上のほうが枯れかけてしまっていました。

これは良くないと思い
先のしおれている部分をカットして
丈も長くなっていたため
茎の部分も上から5センチ程のところでカットし
別の小さな容器の水に挿していました。

しばらくすると
根が出て
芽が出てきました。

白い根っこがたくさん
かわいい


さっき新芽を見つけて
びっくり


生命力を見た
とおもいました。

なんでも
人間のDNAはピーマンと50%同じなんだそうです。

大学時代
心から尊敬する先生がいました。
食物栄養や地球環境保全に関する研究をされていたと記憶しています。
もう30年程前の話です。

その先生が退職される際の最後の教えは
「植物に話しかけてください」
であったことを
最近妙によく思い出していました。

そのときは
やけにファンタジーめいてるなと
思っていましたが
今では
その真意の奥深さをやっと分かりつつあるように思って。

その教えの続きを
目の前の植物たちが講義してくれているように急に感じられて
胸にこみ上げるものがあってなりませんでした。

涙が止まらなくなりました。

そのとき
ずっと降り出し切れないままの張りつめていた雨が
どっと降り出してきて
あっという間に大雨になり
暗くなったかと思ったら
大きな雷が鳴り始め
私は解放されたという感覚になりました。

私は大きな励ましと生きる勇気を
この地球の大自然から受け取った気持ちがしてなりません。

このところ
感銘を受けてばかりの坂口恭平さん。

その坂口恭平さんの
『その日暮らし』という本の中に
こんな文章があります。

植物たちこそ、じつはその日の気分で生きていると気づいて、彼らは僕の生きる先生になった。土の中の種は思いつくように所々で芽を出し、葉っぱが茶色くしおれることもあるが、こちらが「枯れている」と断定しない限り、いつも再び元気を取り戻し、実をつけた。

坂口恭平『その日暮らし』p.10


坂口恭平さんもそう示してくれている。
私もあきらめたくはない。


私は自分の中に
どっしりとしたものがなんだか生まれ始めているような気がしています。

空もゆっくりと明るくなってきました。

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