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「人の言葉を気にし過ぎ」、でもそれが天賦の才だったんだ。

ありのままや自己啓発活動が真っ盛りだったあの頃、
またわたしは「自分軸がないね。」とよく言われた。

人の言葉に流されやすい、とか
誰かに感化されやすい、とか、

そしてこのように誰かの言葉にいちいち気持ちが揺れ動くのは、
自分軸のない自己肯定感の低さが原因だと言われた。

そのときは自分でもそうかと思った。
でもわたしが自分でもそう思ったのは、
わたしがその言葉にも影響されたからだとは考えなかったのだろうか。
またわたしが誰かの影響を受けやすいと知っているのなら、
今まさにわたしに何かの影響を与えようとしていたのだろうか。
そう考えずにはいられない。

そしてこの影響の受けやすさがわたしの弱点だと思っていた。

だから、時々全てをシャットアウトしたい気分になった。
何の影響を受けない時間や場所に行きたくなった。
そういう時は部屋にひたすら篭り、
一日中ドラマを見たり本を読んだりしていた。
一人で遠出したこともある。

そうすることで、本来の自分に戻れるのだと考えていた。

でも、最近それはわたしの天賦の才だと気づいた。

私の心は敏感すぎるほど人の言葉に反応する。
その言葉の裏にある想いを読まずにはいられない。
心ない言葉や暴言、含みのある言い方、意味の矛盾などが、
その人の口から出たときに、それを問いただすと、
何気に言った、思わず出た、言い間違えた、など、
人は言い訳をする。
そして取って付けたように、
気にしないで、忘れて、と言う。

でも人は思考にない言葉を人は使うことは出来ない。
だから、全てではないにしてもホンネが混じっているのはほぼ間違いない。

そしてそういう誰かの言葉に
わたしは自分でもめんどくさくなるほど、いちいち傷ついていた。

でもこの反応力を利用して、
117文字の漢字で読む心理リーディングが出来るようになった。
117文字の漢字から、その時の気分で選んだ幾つもの漢字を連ねると、
気持ちや感情を表現する言葉や一文が出来上がる。
それをその人の言葉に置き換え、本人も気づかなかった思考やホンネを読む。
裏と考えれば気持ちは捩れるけど、心の声と捉えると気づきになる。

また、感化されやすい、影響を受けやすいというのも、
考えようによってはモノを書く上で多いに役立つ特性だ。

わたしは素敵な詩に出会うと、詩を描きたくなる。
読みやすいエッセイを読むと、こんな風に書こうと思う。
面白い小説を読むと、こんなストーリーを作りたい、
こんな登場人物を生み出したいと思う。
実際わたしの書く文章自体、文体も文章リズムも、
最近読んだモノに影響されていると気づく。

でも、これも捉え方次第だ。
だって詩を書きたくなったら、素敵な詩を探せばいい。
エッセイを書きたくなったら、エッセイを読み漁る。
それらに触れることによって、
書く気のスイッチを簡単に入れることが出来る。

どんな物事も捉え方によっては大きく変わる。
そしてそれに気づくことが出来れば、
弱点は弱点でなくなるのだ。

今も全ての言葉をシャットアウトしたくなるときがある。
何の影響を受けない時間や場所に行きたくなる。
今も私は周囲に影響され続けている。
良くも悪くも周囲の影響を受けている
もうそれは仕方のないことなのだ。
だからそういう時は、
ドラマを見たり、本を読んだり、遠出したりして
自分自身を取り戻していくしかない。

それから以前によく聞いた「自分軸」という言葉。
自分軸って何だったのかは未だによく分からないけど、
作家になりたいっていう気持ち、
10歳の頃から変わらずに持ち続けているよ。

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