「近くの山にロープウェイがあるから行ってみない?」
彼に誘われて私達は近くの山に向かった。
通り道には、いかにも観光地といったお店はなくて、昔ながらの商店やひもの屋さんがポツポツと点在するだけだった。
それはむしろ私の目には好ましく映る。
山の上は晴れていて空が広かった。
着いた途端、「わーっ」と2人で両手をあげて叫んでしまう。
人っ子一人いない山の上。
今、ここだけは私たちのものだ。
彼が珍しくはしゃいでいる。
「ねぇ、みてみて」
とおどけたポーズを撮っては
「写真撮って!」
とせがまれた。
普段写真なんて碌に撮らないくせに。
私は苦笑しながらスマートフォンを構えた。
彼とともに空が写り込む。
この青さと広さは収まらないなぁ。
そう思いながらも、こっそり写真は待ち受けにした。
「早く!俺にも送って!」
彼はぴょんぴょんと青空の下で飛び跳ねている。
いいなと思ったら応援しよう!
お読み頂きありがとうございます⸜(๑’ᵕ’๑)⸝
これからも楽しい話を描いていけるようにトロトロもちもち頑張ります。
サポートして頂いたお金は、執筆時のカフェインに利用させて頂きます(˙꒳˙ᐢ )♡ し、しあわせ…!