「ありがとう」 素直に言える すごい人
誰にでも、年に何回かは、
何をやってもうまくいかない日があったりする。
あの日は、まさにそうだった。
ボクの仕事は、福祉関係。
あの日の夕方、児童を乗せた送迎車を運転中、
右折をしようと交差点で待っていた。
すると、反対車線の車が、交差点のど真ん中でストップしたのだ。
(なんだ?)
その車の後ろに、並ぶ車は1台もない。
ドライバーもバックするつもりもない。
こちらの車は、右折をしようとして待っているのに・・・。
その日一日、ことごとくうまくいかなかった自分。
イライラもピークに達しようとしていた。
送迎車に乗っていた児童のRくん。
「行けないねぇー」と、同乗するスタッフに話しかけた。
ドライバーは相変わらず悪びれる様子もなく、その場に止まっている。
1分後、ようやく反対車線の車が動き始め、
その車も交差点から前に進んだ。
その時、児童が”その車に放った言葉”に、衝撃を受けた。
その言葉は、
「ありがとう!」
だった。
この言葉を聞いたとき、自身の心の狭さが恥ずかしくなった。
一方、この児童に対しては、
なんて、心が純粋で、汚れない気持ちを持っているのだろう。
・・・そう思った。
そのあと、ものすごく反省した。
一日の最後に、汚れたボクの心を、ピカピカに洗ってくれたのは、
「ありがとう」の言葉だった。
こちらこそ、ありがとうだよ。
Rくん!