不倫のたんか
どこまでも飛べると僕らは信じてた翼の長さに気づかぬふりで
パエリアを作ってあげる妻と別れる僕たちは嘘つきだった
好きなのは妻で愛してるのはきみ三人とも納得せぬ結論
月だけが見てる重なり合う二人ただせつなくて薄汚くて
君がこの恋を打ち明けられたのはどんなレベルの友達だろう
令和までは生きられなかった恋でした想いの水子供養は一生
いのちごと愛した人を思い出す惰性で愛している人と居て
「もう待てない」泣きじゃくる君が引いた幕カーテンコールのない二人芝居
最後まで最後までは許さなかった君の最後の泣き濡れたキス
あの夜に最後にいっしょに食べたから一生食べぬと決めたフォカッチャ
誰にも嘘をつかなくてよくなったあの夜からもうまっすぐ立てない
髪を切るたびに「似合う?」と送られた写メの途絶えて初めての夏
再生をし過ぎてよれて絡まって君との記憶はVHS
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