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映画『まともじゃないのは君も一緒』 | キモ孝太郎について話したい。

2021年に公開された映画『まともじゃないのは君も一緒」をprime videoで見ました。


この映画の1番の見どころは、清原果耶の可愛さでも演技のうまさでも、成田凌のスーツのイケメン具合でもぎょっとするほど特徴的な笑い方でもなく、小泉孝太郎……いえ、


小泉キモ孝太郎です。



あんなに爽やかな小泉孝太郎が、あのルックスそまま、びっくりするほどナチュラルに、めちゃくちゃ気持ち悪いおっさんになってました。
あの孝太郎を思い出すだけで今も震えます。


孝太郎って何の役やっててもどこか爽やかさが残ってるような、家柄の良さというか、品の良さが漂う俳優じゃないですか。
それがですよ、むしろその爽やかさがあるからこその反動で、とんでもない「キモ孝太郎」ができあがっていたのです。


あ、キモ孝太郎を語る前に、とりあえず映画『まともじゃないのは君も一緒』のあらすじをどうぞ。

外見は良いが、数学一筋で〈コミュニケーション能力ゼロ〉の予備校講師・大野(成田凌)。その前に現れたのが、自分は恋愛上級者と思い込む、実は〈恋愛経験ゼロ〉の香住(清原果耶)。
二人の共通点は、どちらも恋愛力ゼロで、どこか普通じゃない、というところ。
大野にあれやこれやと恋愛指南をする香住は、大野を利用して、憧れの存在である宮本(小泉孝太郎)の婚約者・美奈子(泉里香)にアプローチさせ、破局させる作戦を思いつく。
予想に反して、少しずつ距離が縮まっていう大野と美奈子の姿に不思議な感情を抱く香住。
二人が見つけた《普通》の答えとは?

prime videoより


《普通》の答え……
そんなもん知りません。
私はただただ小泉孝太郎について、小泉キモ孝太郎について、話したい!


※ネタバレとまでは行きませんが、キモ孝太郎を説明するため一部内容に触れますのでご注意ください。



清原果耶演じる高校生の香住が憧れている実業家•宮本。それが小泉孝太郎です。
そもそも、最初からどことなく胡散臭い感じはあったんですよ。講演会で澱みなく演説を行い、まぁ爽やかな実業家だね、という感じではあるんですけど、どこか嘘っぽい。まだ何もしてないのに、こいつは信用できないと私の本能が叫んでました。

宮本の講演会の日、喫煙所でタバコを吸っている宮本に香住が声をかけるんですけど、2人の会話から宮本は以前禁煙すると言っていたらしいことがわかります。
そして、香住が宮本の本や考え方を賞賛しても、その話題を掘り下げるでもなく、本当に当たり障りのないことしか言わない宮本。
香住がファンレターらしきものを渡したところで宮本の婚約者が現れ、宮本の喫煙を咎めると、なんと宮本は香澄の喫煙を注意しただけだと言い訳します。


はぁ?なんだ、こいつ!
あんな偉そうな講演してるくせに、公の場で言ったこと守れないで喫煙してるし、さっきから中身なさそうな空気がプンプンしてるし!
っていうか(香住は)吸ってないんですけど?!

と私はなりましたけど、香住はその点についてはあまり気にしておらず、宮本に婚約者がいる、という事実にショックを受けます。


で、香住はあらすじにもある通り、塾講師の大野(成田凌)を利用して、宮本と婚約者を別れさせる計画を立てます。


ええ、もうあんな奴よくない?
あいつたぶん、そんな憧れるような奴じゃないよ?
と視聴者全員が清原果耶に呼びかけた瞬間。


それでも計画は進み、予想外に大野(成田凌)と宮本の婚約者の距離が縮まる中で、香住はある日突然大野を好きになってしまいます。


そしてその日はやってきます。
宮本の婚約者は、宮本から帰りが遅くなるという連絡を受けて大野のところへ。
一方、香住のところには宮本から連絡が。

(くるぞ、くるぞ、くるぞ……)

憧れの宮本に呼び出された香住。
「静かに話せるところに行こうか」と耳が腐りそうなほどありふれた台詞と共に、宮本が香住を連れて行ったのはラブホテル。

(キターーーーーーーーー!!!!)


キモ孝太郎、爆誕。


表では耳障りのいい言葉を並べて実業家として活躍しつつ、裏ではこうやって自分に憧れる若い女に手を出す。
しかもこの慣れた感じ……
おめー絶対常習犯じゃねーか!!!と週刊誌の記者並みに写真をバチバチ撮ってやりたくなりました。


ベットに香住を座らせ、爽やかに微笑む宮本。
既に大野のことが好きなので感情が無の香住。

宮本「大丈夫だから」


大丈夫だから……?

大丈夫って何がーーーーー?!!!


全然大丈夫じゃないんですけど!!!
めちゃくちゃ気持ち悪いんですけど!!!!!!!
おい、香住まだ高校生だぞ!
そしておめーは何歳だよ!何歳下に手出してんだよ!!!!
大丈夫じゃねーから!お前十分おっさんだから!
おっさんがこんな若い子に対して「イケる」と思ってるところが最高に気持ち悪いからーーーーー!!!!!


相変わらず爽やかな微笑みを浮かべたまま、流れで香住と寝ようとするキモ孝太郎に鳥肌。


その爽やかさ、その裏のゲスさ。
そのあまりに自然な二面性に、頭の中では弟の演説姿までチラつき、もはや選挙戦にも影響が出るんじゃないかと心配してしまうくらいのインパクトを与えてくるキモ孝太郎。


小泉孝太郎の役者としての真髄がここにありました。
この宮本役で孝太郎に日本アカデミー賞助演男優賞をあげたい。
こんなにも爽やかで、自分に自信があって、気持ち悪くて、でも圧倒的な「こういう奴いそう」感を出してきたことに感動。孝太郎の可能性に震えが止まらない。
世の中はもっとキモ孝太郎を評価してほしい。


もう見る前には戻れないよ、孝太郎……


あ、ちなみに映画も、派手さはないですが面白かったです。すぐ寝ちゃう夫もちゃんと最後まで観てました!



おしまい。



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