映画『ミステリと言う勿れ』| 正統派ミステリーの舞台に久能整くん参上
2023年に公開され、興行収入48億円を記録した大ヒット映画『ミステリと言う勿れ』。
レンタルにあるのは気づいてたんですけど、どうにかprime videoの見放題になるまで待とうと見ないふりして耐えていました。
これ以上課金したくない……見放題まで待つんだ……絶対にあとちょっとで配信するはずだ……！
と思ってたんですけど、ついにレンタルしてしまいました。見放題になるまで待とうと無駄に耐えたここ数ヶ月は何だった？と思わないでもないですが、見たかったので仕方ない。
ドラマの『ミステリと言う勿れ』がよかったので（最終回だけ「？」となりましたが）、映画も楽しみにしていました。
予告見て「……やけにポップだな」と若干違和感ありましたが、本編はいつもの『ミステリと言う勿れ』。
広島を舞台に、久能整くんがある名家の遺産争いに巻き込まれていきます。
ということであらすじはこちら↓
久能整（菅田将暉）は、美術展のために訪れていた広島で、一人の女子高生・狩集汐路（原菜乃華）と出会い、とあるバイトを持ちかけられる。それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。
当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助（町田啓太）、波々壁新音（萩原利久）、赤峰ゆら（柴咲コウ）の4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴（松下洸平）は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、謎を解いていく。ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…
名家、遺産相続争い、蔵、日本人形、昔からの言い伝え、ついでに、主人公と事件を繋ぐ美人……
土曜ワイド劇場！
火曜サスペンス！！
内田康夫の浅見光彦シリーズ！！！（わかる人だけわかってください）
かと思うくらい、正統派のミステリー要素が組み込まれた物語です。
※この先はネタバレも含みますので、映画をご覧になった方のみ読んでいただけたらと思います！
見放題始まってからでも大丈夫ですからね！
ちなみに私は原作未読です。
演技派揃ってますーーーー！！！！
一歩間違えたら「んんん？」となってしまいそうなギリギリのラインの物語だったと思いますが、あの『ミステリと言う勿れ』の雰囲気と、演技派の俳優たちに支えられて物語を成立させてました。
『鬼の集い』の話はぶっ飛び凄すぎて、一瞬どう捉えたらいいのか戸惑いましたけどね。
鬼はあくまで比喩ですよね？
その家の若い妻を手に入れたくて一家を殺害し、その家の人間になりかわった鬼。
実際には、そんな鬼のような3人、3人の犯罪者がいた、という話だと思います。しかも、髪が天パで肌も白くて、外国人っぽい外見を持った人間を殺しているのであれば、かつて家の人間になりかわったのはきっと外国の血が入った人だったんでしょう。
で、自分が本当はその家の人間ではないことがバレないように、一家を殺害してなりかわったことがバレないように、自分に似て外国人っぽい見た目の人間が生まれたら殺すことにしたわけです。
その家が繁栄を続けた後も、かつて鬼のリーダーだった男の子孫が当主として、かつて鬼のリーダーと主に一族を殺した2人の子孫が、その家の顧問弁護士と顧問税理士として、ずっと秘密を守りながら、バレないように、バレないように、色白で天然パーマの子が生まれる度に、殺してきたのです。
……おい、待て。今もう、令和だぞ。
あの舞台のストーリーがどこまで本当か分かりませんが、明治時代からスタートして、令和の今もそれやる？
本当の一族の生き残りに見つかって復讐されるのが怖かったみたいですけど、一族の人間を殺し続けてる方がよっぽど危なくないか？
よくこれまで事故とか自殺で処理してこれたな。警察無能か？
という一瞬頭の中を横切った疑問は、演技派ばかり集めた出演者の力技で乗り切れます。
松下洸平の冷静さと残酷さ。
自分に好意を持っているのを分かった上で、利用し、傷つける。深く深く心にナイフを刺す。
それを当然の使命と考えている。
自分が原菜乃華の父親たちを殺したくせに、当然のように原菜乃華のせいにする、その感じ。
あ、こいつおかしい。
普通なら、外国人っぽい容姿の人間というだけで人を殺そうと思わないし、代々続いてきたというその行為も異常だとわかる。
でも、こいつはわからなかったかもしれない、
と思わせる。
一見聡明で、穏やかで、優しそうに見えるからこそ、そこに潜む狂気が怖い。
そして原菜乃華かわいかった。
松下洸平にズタボロに傷つけられ、精神の限界を踏み外しそうになる瞬間をよく表してました。
松下洸平の発言により、自分の父親たちが殺されたのは自分のせいだと震えながら涙を流すところは圧巻。私も久能整くんと一緒になって、「大丈夫だよ、あなたは1ミリだって悪くないんだよ」と原菜乃華の背中を撫で、松下洸平には「お前ちょっと黙っとけ！この犯罪者が！！！お前なんか刑務所でさっさと坊主になってこい！！！」と張り倒してやりたい衝動にかられました。
原菜乃華、ちびまる子ちゃんと同じ髪型であんなかわいいってどういうことなんですか？
私高校生くらいの時にあの髪型やったら、本当に目も当てられないくらいダサい感じの子になりましたよ。やはり美人は髪型を選ばない。何したってかわいい。羨ましい！！！
ある意味、古典的なミステリーの中に、久能整くんという個性的なキャラクターが登場することで新しいミステリーの空気を作り出した映画『ミステリと言う勿れ』。
瑛太（犬堂我路）の話もまだ全然片付いてないですし、早くドラマの2nd seasonやらないかな〜とずっと楽しみにしています。
菅田くんは自分のイケメンさに既に飽きてそうで怖い。
久能整くんにまた会えますように！
おしまい。
野間口さんがちょい役すぎて、絶対この後なんかある……！犯人かも……！と思って見てたら何もなかった。
野間口さん……。
ちなみに私はやっぱりドラマ版は第1話が1番好きです。
遠藤憲一さんはレギュラーだと信じて疑わなかった我々へのパンチの威力すごかったですよね。
遠藤憲一さんの役名がどーん！と出る瞬間がかっこよすぎて震えました。
ちなみにちなみに、誰も興味ないと思うんですけど、私が「浅見光彦シリーズ」で1番好きな浅見光彦役は沢村一樹さんです。その前まで榎本孝明さんがやっているシリーズを見ていたので、沢村さんになった瞬間「浅見光彦ってこんな若いの？！かっこいい～！！！！」ってなりました。