ボードゲーム制作者とKickstarterとの付き合い方のアイディア
この記事を書くきっかけ
ボードゲームの世界でKickstarterは非常に重要な存在です。ボードゲームというジャンルにおいて、Kickstarterは多くのクリエイターにとって資金調達やマーケティングの場として欠かせないプラットフォームとなっています。
先日、uchibakoyaさんのnoteで1作品で1億円調達できたと知って、この可能性は確信に変わっています。
私自身もKickstarterを活用し、とても小さいながら成功を収めた経験があります。その成果物である『Topping』をゲームマーケットに持ち込んだのですが、野心的な在庫数で、売り切れとかはないものの多くの方々に手に取ってもらうことができました。ありがとうございました!
これらの経験を通じて、ボードゲーム制作者がKickstarterとどのように付き合うべきかについて、私なりの現時点でのアイディアを共有したいと思います。
なんと言っても、外貨獲得は魅力、ですが…
前回の記事でも述べましたが、日本の経済環境(円安と可処分所得の相対的な伸び悩み)を考えると、個人が外貨を稼げるようになることは非常に魅力的です。ですよね!
で、特にボードゲームのような国際的な需要がある商品では、国内市場だけに留まらず、グローバルな市場をターゲットにすることで、より多くのチャンスをつかむことができる気がします。気がします!!
むしろ前述の環境から国内市場は楽しみとして大事にして、海外に目を向けるのもまた楽しいかなと考えています。
しかし、海外展開には当然のことながらリスクもあります。
特に製造や物流費用、倉庫代などのコストは無視できません。これらのコストはときに製品そのものと同じくらいかかることもあります。
ボードゲーム制作者のゴール設定いろいろ→使い方いろいろ
当たり前ですが、ボードゲーム制作という取り組みを通して何を目指すのかは人によって異なるでしょう。
感覚的には、ゲームマーケット他のさまざまなボドゲイベントで多くの人に自分の作品を遊んでもらい、あわよくばメーカーの目に留まることをめざしている方が多いのではないでしょうか。しかも、メーカー云々はあくまで、「あわよくば…」であって、まずはゲームを作ること自体が楽しくて、それ自体が目的であり、それ以外のことは後回しという方も少なくないでしょう。
で、私はボードゲームメーカーの目に留まってライセンス契約できることを第一の目標にしつつ、uchibakoyaさんのようにメーカー的な動きも視野に入れています。
ライセンス契約をめざす動機としては、Kickstarterでの経験から製造やマーケティング、物流、顧客対応といった多くのタスクをこなすのが本当に大変で、そのエネルギーをできれば次のゲーム制作に費やしたいと考えているからです。
もちろん、自分が作ったボードゲームが店頭に並ぶのは魅力的ですが、これって利益を度外視して委託販売すれば、できちゃうんですよね…。
で、状況によっては自分でこれらのタスクをこなす選択肢もあります。例えば、自分がこのゲームは自信作!と考えていても、メーカーから期待する評価が得られない場合などです。
私は昼間はビジネスパーソンとして働いており、ビジネスを考えるのは苦ではないですし、オペレーション部分は自動化してブンブン回すことを考えるのも楽しいので、将来的にはこうした選択肢も視野に入れています。
上記をふまえつつKickstarterの使い方の整理を試みると以下の通り。
2つめは最近、国内クラファンで見かけますが、成果はどんな感じでしょうかね…。
ただ存在をアピールする →ゴールは低くて、広告媒体として利用
ゲムマ等イベントの前売り →ゴールは低くて、販売チャネル状態
初期の制作費回収に充てる →主戦場は各種イベントで楽しむ
それ自体をビジネスとして捉える →利益をめざして広告も頑張る
私のKickstarterの経験
私の前回のKickstarterキャンペーンでは、まず最低限の印刷費を賄うことを目標に設定しようと考えていました。ゲームマーケットでの売上は、マーケティング費用などの補填を目指すというスタンスでした。
ここでポイントになるのが、KickstarterがAll or Nothing型のクラウドファンディングであるという点です。この形式は目標金額に達しなければ、1円も手に入らないため、目標設定は慎重に行う必要があります。日和った私は目標設定を印刷代の満額にはせず、少し低めに設定しました。
あとはもう、必死にマーケティング活動ですが、これは長くなるのでまた別の記事で。その後は、製造にも物流にも苦しめられるのですが、これもすごく長くなるので別の記事で。
制作者としての気づきと今後の展開
ゲーム制作者としての経験から、リリース後にユーザーのプレイ後のコメントやアイディアを聞いて「確かに!!」と思うことが多々あります。
理想的には製品版でルールを改善した第二版を出せると良いのですが、リソースが限られている状況では難しい場合が多いです。
そこで、私は新たなアプローチとして、以下の3段階でゲームを展開することを考えています。
国内クラウドファンディング(All in型)
ゲームマーケット等のイベント
Kickstarter(All or Nothing型)
この流れを取ることで、国内市場でのフィードバックをもとにブラッシュアップを行い、最終的にKickstarterで成功するための準備が整うのではないかと考えています。
また、正直、国内ではリーズナブルでないと手に取ってもらえないのですが実際です。一方、海外、特にKickstarterとかだと豪華でないと手に取ってもらえない傾向があります。
なので、まずはリーズナブルバージョンを国内でリリースし、多くの改善案を吸収した形で、デザインや木コマもバージョンアップしてキックスターターに臨む、というのがいいんじゃないかと思っています。
最悪、豪華版がリリースできなかったとしても、廉価版はリリースできているので、いくらか精神的には落ち着いた状態でリトライすればいいわけですしね。(Kickstarterはプロジェクトが失敗してもリトライするケースもあるようです)
まとめ
ボードゲーム制作者として、Kickstarterは非常に有効なツールですが、何のために使うのかをシャープに考えることで、より有効になるのではと考えています。
特に私が現時点で有効だと考えているのは、いきなりKickstarterではなく、廉価版を国内でリリースし、そのフィードバックをもとに改善したものをKickstarterにぶつける、というものです。客層が異なるので、食い合うことも少ないのではと期待しています。
ただし、これらを実現するためには、年間レベルで計画と実行を遂行できるプロジェクトマネジメント力が求められます。私はゲーム制作をメインにしたいと考えていますが、これもまた楽しみながら取り組んでいけると思います。
とりあえず、「いうは易し、行うは難し」ですから、実際にやってみようと思います。このnoteを通じて、プロジェクトの裏側をお伝えできればと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?