私は昔から、窓から外を眺めるのが好きだった。 電車でも学校でも家でも窓があれば、大抵窓から外を眺めていた。なにか理由があるわけではない。 ただ、つまらない自分の日常を紛らわす、いわば暇つぶしのようなものだ。 窓から見える光景は、人、風景、様々だが、どれにもなにかストーリーがある気がした。窓から外を見るときは、そのストーリーを想像しながら過ごすことがほとんどだった。 街の電気屋さん、手をつないで歩く親子、放置されたたくさんの自転車。 そんな一見ありふれた光景にも、おそ
いつからだろう、自分の人生がこんなにつまらなく感じたのは。 これまではものすごく順調な人生を送ってると思っていた。 学校一、というほどではなかったが、テストの順位は上から数えたほうが早かった。平日は部活に勤しみ、友達と充実した学校生活を送っていた。 大学受験でも、就職には困らないであろうレベルの学校に入ることができたし、人並みに恋愛もしてきた。 就活も、周りの友人に劣らないくらいの企業に入社した。 でも、いつからだろう? 周りの友人、同期を見て自分には何かが足りない