鬼グッズへの反応が職場のバロメーター
子どもと全力で向き合いたいこの仕事において、職場の人間関係は、
実はかなり大きな要因になる。
今年度、うつになって、未だ療養明けの兆しが見えないことになったのも、
一番の要因は、職員室でのいじめのような人間関係が原因だった。
利益追求型の組織でない分、その陰湿さはかなり悪質だとおもう。
しかしすべての職場がそういう職場ではないのも事実なわけで。
節分にまつわる子どもとのエピソードを綴りながら、
(今年度最初に言われた嫌ごとで、鬼グッズのことも言われたな・・・。)
と思い出した。
「鬼の面やら、サンタクロースの服やら、和を乱しそうな面倒な人が来るんじゃないかと、みんなが警戒している。」
異動した初日、出勤するなり個別に呼び出されて言われた言葉だった。
たしかに、鬼のグッズやサンタの服、ハロウィンの衣装などを
ごっそり持ち歩いて移動してくる者はあまりいないだろう。
だが、振り返って思うことは、これは働く職場の集団が、
働きやすい集団か、働き辛い集団かのバロメーターになったという事だ。
鬼グッズを持って行ったときに、
「これいいね!私物でこんなに持ってるの?面白そう。」
と言ってくれた先生たちと一緒に働いていた時には、
何につけても、遠慮なく自分の意見を言えて、
そこには年齢や経験は関係なく、みんなで子どもを育てる雰囲気が
当たり前のように職員室を包み込んでいた。
地域で子どもが悪さをしてその連絡が近くの人から入ったり、
放課後遅い時間になっても、子どもが帰ってきていないと
保護者から電話がかかってきたりした時には、
皆当たり前のように、自分の仕事を停めて、
現場に赴いたり手分けして探したりした。
自分の学年、自分のクラスでなくても、バシッと叱るし、真剣に探す。
お互い様をおかげさまで相互に感じ合える関係が、
その時の職場では、当たり前だった。
その時の節分では、子ども達との節分などはできなかったのだが、
鬼のコスチュームを、校長、教頭、教務、体育専科の、
ベテラン男性教師陣4人が装着して、全学年の授業中にサプライズで
練り歩いてくれた。子ども達は、「○○先生やん!」
と言いながら、大盛り上がり。授業が止まるわと、
嫌な顔をする先生はおらず、そんな季節を楽しむ伝統のイベントを、
学校全体で楽しませてあげようという雰囲気が、
実に心地よかった、温かかった。
鬼のお面一つに対するこちらへの反応一つからでも、
その職場のバロメーターにもなりうるのだと、
改めて思い返すことができた。