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大迫力のクラウディ鬼・面白可愛すぎるあんちゃん鬼(1)

6の1の子達との【クラス全員で節分鬼祭り】を、綴りながら、

その他の節分にはどんな鬼をしたかなと思い返していた。

いくつかの思い出話が、思い出されたので、綴ってみたい。

タイトルの歳の鬼は、6の1の子たちを受け持った次の年度の話。

この年僕は、6年生になる8人の特別支援の子たちの担任だった。

僕が6の1の担任をしているときの3学期、まさにあの鬼祭りの頃、

その特別支援のクラスは、担任の先生が病休に入り、

子ども達の心が不安定になった結果、大荒れになっていて、

管理職や、専科の先生などが8人に対して6人で対応に当たるほどに、

子ども達もの心も不安定だったクラスだった。

6の1を卒業させ、翌年度の任用で、同じ学校での継続が決まった3月末、

早々に校長先生に呼ばれて、

「ととろん先生の、思ったとおりに指導してもらってよいので、特別支援のクラスの担任をお願いします。」

と打診され、僕で力になれるならと、引き受けた次第だった。

この特別支援のクラス(以降仲良しさんクラスと呼びます)のメンバーは、

6年生のみの8人、うち二人は不登校で、僕と、ちょうど一回り差の

お姉さんの副担任の二人で、その子達を受け持つ体制になり、

この子達との思い出も、沢山あるので、これからのととろん学級日誌でも、

エピソードが紡げたらいいなと思っているのだが、

今回は節分のエピソードと言うことで、一つ綴り語っていきたい。

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「ととろん先生、今年は去年みたいな鬼はやらないんですか?」

節分が近くなってきた1月下旬、尋ねてきたのは、

ムードメーカーで、いつもみんなを楽しませる、あんちゃんだった。

あんちゃんは小柄だけど、すばしっこくて、周りの子達にも積極的に

コミュニケーションをとって、笑わせたり、いじったりいじられたり、

友達のこともすぐに笑顔にしてくれる気持ちの良い男の子だ。

「そうだねー、去年はほら、36人全員でやったから。今年は、6人だからね。で、たぶんやりたいと言ってくるのはあんちゃんくらいかなぁとおもうから、他のクラスを回るのは無理かもねぇ。」

「そうかぁ、ととろん先生だからできるかなと思ったんやけど。」

あんちゃんはちょっと残念そう。そこで提案してみた。

「あんちゃん一人だったらさ、やっぱり一年生を回るのは大変だから、強力な助っ人を頼んでみるよ。」

そこで話を持ち掛けたのが、ALTのクラウディオだ。

クラウディオは、195㎝の長身に、眩しいほどの笑顔のイケメンで、

おまけに子どもにもいつも優しく、積極的に関わってくれる、

フレンドリーな性格のイタリア人のALT。その生き様もカッコよくて、

大学を卒業後、恋人のステファニーと二人、

興味を持った外国に年単位でのステイをしながら旅をしている。

これまで行った国は、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、

そして日本は、札幌に一年、今年は九州のこの街で。

旅先の町でマンスリーアパートを借りて、

仕事もして、じっくりその国の文化や風土、人間関係を楽しむ。

壮大な婚前旅行のようにも思える、この素敵な旅人のクラウディオと、

僕はこの一年ですっかり仲良くなっていた。

毎週、クラウディオの来る日には、一緒にコーヒーブレイクなどしたり、

仕事終わりには、帰宅途中の駅まで一緒に帰り、

別の学校でALTをしているステファニーとも会わせてもらったり、

クラウディオは、紅の豚のポルコ・ロッソみたいな丸っこい僕を

「ととろん先生は、ブラザーだよ。ととろんブラザーだよ。」

と慕ってくれていた。

そんなクラウディオが、週に二回英語の授業を教えに来る日が、

節分の日と重なったのだった。




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