夏空に元気一杯のPLAYBALL(5)
バックネットから見る野球場は、本格的でなスタジアムの形で、
でも一方で市民球場らしくバックボードの得点板は、
おそらく手動の白ペンキの数字板。
コンクリの観客席のベンチも、なるほど照り返しの暑さがすごい。
年に何度も一緒に回って応援しているお父さんお母さんたちは、
その辺りの対策は万全で、観戦スタンドに簡易テント(屋根のある軽量のもの)をてきぱきと作り、応援中の熱中症対策もばっちりだ。
そんな中始まった第一試合。どちらのチームにも6の4の子がいるので、
僕は持ってきたリュックからタオルを出してほっかむりして、
同じくリュックに入れてきた2Ⅼペットボトルの麦茶でのどの渇きを抑えながら、
両方のチームを応援する。
野球の応援は基本的に攻撃中に観客席も盛り上がっていい感じなのだが、
好守備にも拍手が起こるし、どのタイミングでの応援をするかは、
それぞれ任せなところがある。なので僕はとにかく一回戦は
YくんとMさんを応援する。に徹そうと決めた。
Yくんはチームのエース。投手は一番応援のタイミングが多い。
なんせ一球ずつ応援できるのだからほぼ拍手と声援を送れる。
「ナイスボール!」
「ナイスピッチ!」
「いい球来てるよー!」
と、声を出して拍手をしながらの応援は途切れるタイミングも分からず、
3回に入る頃には2Ⅼが空っぽになった。
そんなこともあるだろうと、リュックには6Ⅼ持ってきてはいたが、
思ったよりも早くなくなったなと、ちょっと心配しながら、
応援を続けていった。
Mさんはセカンドで、Yくんチームの打った打球を手際よくさばくナイスプレーも見られた。
どちらも応援しがいがある、と思いながら試合はテンポよく進んでいく。
そして勝敗も決して行く。優勝候補なんよ、とMさんがぼやいたとおり、
Yくんのチームはまさに集大成。9つのポジションのうち8つが6年生で、
それも3年生のときからみっちり鍛えてきた子達ばかりのチーム。
守りに抜かりがない。
前の試合もちらっと見ていたが、なるほど少年野球とは、
いかんせん体の成長段階の違う、
この前まで低学年だったこともうすぐ中学生の子が一緒になって戦うわけで、
まだ始めたばかりの子がスタメンになっているチームでは、3年生くらいの子が外野で一生懸命ボールを追っかけるのだが、
ちょっと頭を飛び越えればもうランニングホームラン、なんていうシチュエーションも良く起こるような感じだった。
結果としてYくんのチームとMさんのチームの対戦も、3回コールド。
この大会ではMAX7回で、3回での得点差、5回での得点差でコールド判定が行われるようで、
穴のない守備と、とにかく打ちまくったYくんチームの勝利となったのだった。
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