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最後まで、気持ちの良いくらいの仲の良さでした。~6の4編エピローグ~

この子達との卒業式は、最後まで笑顔の絶えない一日だった。

カルタ尽くしの3学期、子ども達は以前より仲良くなり、

クラスメートとしての個人個人の距離が、この3か月でぐんと近づいたような、

そんな雰囲気のままに、卒業式を乗り越えることが出来ていたように感じた。

一昨年の先輩たちの話を聞かせてあげたこともあり、自分たちも桜吹雪を舞わせたいと、

ウキウキしながら用意している様子は、節目としての卒業を、

自分たちで楽しもうというやる気を満タンにして臨んでいるように見えた。

僕がしてあげられることはそんなに多くなく、カウントダウンノートに、

桜吹雪用の紙の準備に、6の4の子達は、素直でノリが良いので、

ちょこっときっかけを見せてあげるだけで、後は子ども達に任せておけばいい。

それくらいに、協力してみんなで楽しむことを自分たちでプロデュースできる力が育っていた。

何をするにしても大切なことは、その事に興味をもって楽しもうとする気持ちで取り組むことが出来るかだ。

やれと言われたからやる、やりたく無いけどみんながやると言うからやる。

では、やはりうまくいかない事の方が多い。

6の4の子達の一番素敵なところは、「これ面白そうじゃない?」

と誰かが言うと、

「確かに面白そう。」「同じことおもっとった。」「やってみよっか。」

と、何人もの子がすぐに「いいね」と反応し、それを全員が共感していく力があったと言う事だ。

それは時として楽しい事ばかりでなく、誰かが厳しく叱られているときに、

叱られている子だけにとどまらず、叱っている僕にまで共感して、

自分とは直接関係ないのに、涙を流して友達を励ましに行ったり、

僕へ励ましの言葉を言いに来たりするなど、驚かされるほどだった。

最後のホームルームも終わり、体育館にもう一度集まって、

その後、五年生と教員に見送られながら、校門から出ていく。

一旦出た後に、子ども達とおうちの方は、各々記念撮影をしたり、

こちらにご挨拶に来られたりと、賑わうのだけれど、、、、

何人かの親御さんに声をかけられて、ご挨拶をしたり、子どもと一緒に写真を撮ったりしていると、

「じゃあ、12時半に〇〇〇〇に集合ね。Tさんは私のお母さんが一緒に乗せてくれるって。」

「おれのとこも母さんがあと4人は一緒に連れていけるって言ってるから。M君一緒に行こうか。」

声色からして、6の4の子達だ。

「なになに、このあとみんなで打ち上げ会かな?!」

と、声の主のMさんにぼくはは尋ねた。

「え、あ、えっと、そうですね。打ち上げです打ち上げ。」

Mさんは、何だか悪いことがばれてしまったような感じで焦っているが、

そこへMさんと話していたもう一人の声の主Yくんが、

「そうです!みんなでカラオケってくるんです。」

と教えてくれる。どうやらMさんは子ども達だけでカラオケがばれたら叱られるかもしれないと思ったようで、シーっとY君に指を立てて合図していた。

「あれ?これいったらダメな奴だっけ。やべぇ!」

とY君も慌てる。僕は笑いながら

「いやいや、○○○○は校区内やろ。おうちの人もちゃんと了解されて行くんならいいと思うよ。でもMさんがばれたらヤバいみたいな顔しているから、先生は聞かなかったことにしておくから。」

そう言うとYくんはにこっと笑って、「じゃあ、聞かなかったことで。」

と返してくる。

「で、誰が行くん?」

と、もう一つだけ尋ねると、

「えっと、UくんとSさん以外全員ですね。あ、二人にもちゃんと声かけましたよ。全員に声かけて、ほぼ全員で行ってきます。」

「それは・・・すごいな。楽しんでおいで。聞いてないことだけど。」

「はい!先生も昼から、桜の片づけ頑張ってください。」

そう言ってYくんとMさんは6の4の子たちが集まっているところに駆けていく。

この子達の素直さと仲の良さに、最後まで温かな気持ちをもらえたような、

そんな思いで笑顔にしてもらえた、6の4の子達の卒業の日であった。

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