みんなで楽しむことは、実はけっこう難しい(2)
「中休みに、Mさんたちから、お楽しみ会をしたいとの要望がきました。そこで、今日の五時間目は、お楽しみ会をするための話し合いの時間にしようと思うのだけれど、まず、みんなに確認しておきたいのは、お楽しみ会をしたいかどうかと言う事です。どうでしょうか。」
3時間目が始まると、僕は子ども達にそう切り出した。
お楽しみ会と聞いて、したくないという子は、ほとんどいないのだけれど、
積極的にやりたい子と、そうでもない子は、気持ちの温度差が結構あったりする。
前者は「わーい!お楽しみだお楽しみだ。」というタイプ。
後者は「授業よりはまぁお楽しみ会の方がましだからなぁ。」とか、
「別にみんながやりたいなら反対はしないけど。」というタイプ。
そうなると、時々起こってしまうのが、いざお楽しみ会が始まってから、
「そんなにやりたかったわけじゃないし。」と言った言葉が出てきてしまって、
お楽しみ会が楽しくないもので終わってしまう事件だった。
そこでそういう事にはならないための、
一つずつの情報の共有が大事になってくる。
子ども達には授業でも、普段からも、よく話している「5W1H」
いつ、どこで、なにを、だれが、どうして、どのように」を、
全員で情報を共有して、了解をしておくかどうか、それが重要だ。
「みなさん、どうですか?」
確認するように、もう一度聞いてみると、積極的に反対の子はいなかった。
「では、お楽しみ会はやる方向で進めていこうと思います。」
はーい、となんと無しの了承の返事が聞こえたところで話を進めていく。
「で、さっきのことなので、日時はまだ決まっていません。だけど、二学期の終わりになると、他のクラスもお楽しみイベントを計画していると思うので、基本的には、6の4が運動場・体育館を使える体育の時間であれば、運動場や体育館を使っていいです。音楽室くらいの特別教室なら、早めに抑えれば、ある程度いつでも確保できると思います。ここ、6の4ですると言う事であれば、どの時間でも空けることはできます。」
子ども達には一つずつ、示していく。
「そういうわけでみんなには、どんなお楽しみ会をするのかを話し合ってほしいです。話し合いの進行は提案者のMさんと、一緒に来ていた子達でお願いします。どんな中身のお楽しみ会をするかをみんなで話し合って、それに合わせてみんなで時間を決めてほしい。先生はそれが決まり次第、空き教室の確保には動こうと思うので。」
頷く子ども達。
「で、それでは話し合いをどうぞと今から始めても、なかなかアイデアは浮かばないだろうから、今日の5時間目を話し合いの時間にします。それまでにそれぞれ、どんなことをしたいか考えておいてください。」
不意に話し合いでは、いいアイデアが出辛いからね。そう付け加える。
子ども達は、確かに。と笑いながらホッとしながらの顔で返してきた。
それでもお楽しみ会をすることは全員で確認できたので、どこか嬉しそう。
こうして一つずつ情報を共有して確認しながら、お楽しみ会は次の段階、
話し合いへと進んでいくことになった。