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真っ正面から向き合う覚悟はできているか~『やれる限りやる』自分自身が鍛えられた、5の3の子達との綴り語り~(3)

校長室を出て職員室に入ると、美味しそうなラーメンの香りが鼻に入ってきた。

「こんにちわ、4月からお世話になります。よろしくお願いします。」

と、僕は挨拶をする。

職員室の後ろの大きなテーブルで、何人かの先生が一緒にラーメンを作ってお昼ごはんに食べられていた。

「よろしくねー。」

と、返事が返ってくる。と、その中から

「ととろん先生?ととろん先生じゃないですか?」

と、そんな声が聞こえてきた。

「はい、ととろんです。・・・・おお!おお!S先生!久しぶりやね。」

「はい!十年くらいぶりですか?ととろん先生来られるんですね。」

「そうなのよ、S先生は、4月からもいるの?」

「ええ、なので二度目ましてのよろしくお願いしますですね。」

ラーメンを作っている数人の先生の中に、以前同じ小学校で働いたことのあった先生がいたのだった。

S先生は、その後すぐに正規教員になり、ここの学校には、去年来たのだという。

以前一緒に働いたときには、僕は少人数指導の講師、彼女は特別支援学級の担任補助というポジションだったが、

10年たっても未だ講師の僕と違って、

彼女はミドルリーダー(若手の中のリーダー的な立場)として活躍していることを、

風の便りには聞いていた。まさかここで再会できるとは、という嬉しさがあった。

「ごめんごめん、お昼ごはんの邪魔をして。今日は荷物をもってきたのとご挨拶をしに来ただけだから。また4月からよろしくお願いします。」

そう言って職員室を出ると、S先生は「私見送ってきますね。」

とお昼ご飯を一緒する先生方にそう言って、こちらに来てくれた。

「先生、帰りはどうするんですか?」

「年休で動いているからね。今日はこのまま歩いて駅まで行ってみるよ。なんせ反対側の出口からしか通勤していなかったから探検だね。」

そういうと、S先生は、「ととろん先生は変わってないですね。」

と笑いながら返してきて、その後ぱっと真剣な顔になって尋ねてきた。

「ところで、先生。校長からはなんていわれました?」

「うん、五年生って言われたよ。だいぶ大変だったらしいね。」

S先生は、やちょっとホッとしたような感情が垣間見えるも、

だいぶ深刻な表情で続けた。

「そうですか、、、やっぱりそうか、でもととろん先生なら。頼もしいです。」

「そう?とりあえず前の学校でも同じように、3月のうちに学年は打診されてきて、それも結構火事場の火消し的な使われ方してきたから、耐性は強くなったけど、そんなに頼りにはならないよ。」

「いえ、あの子達のことを任せられると思います。私はもうとりあえず倒れずに1年受け持つので精一杯でしたから。すみません。」

悔しさと、悲しさをにじませながら、S先生は話を続ける。

「今度ととろん先生に受け持ってもらう子たちを、私は今年受け持っていたんですよ。」

・・・・・・・・・・・
※作者より
前・中・後でまとめられると思いましたが、まとまらなさそうなので、(1)(2)(3)・・・とタイトルを修正します。

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