悪ふざけの代償は(1)
6年生の社会科の勉強は、その後の中高での分野で言い換えると、
2学期末までは「日本史」、2学期末から3学期が「公民・現代社会」
となっていく。1月に入り、『日本とかかわりの深い世界の国々』
と言う単元の勉強に入ったものの、教科書で紹介されている、
「アメリカ・中国・オーストラリア・サウジアラビア」
の4か国のなかから選んで、調べたりして行くのは、
あまり面白くないなと思い、それぞれが日本と関わりが深いと思った、
一番興味のある外国を調べていこうと、そんな展開で学習を進めていった。
36人が選ぶ国は、なるほど、日本との関わり方が様々のようで、
スポーツでつながっている国、食文化が日本で人気の国、
子ども達にもなじみのある音楽やドラマで身近に感じる国、
日本が支援をしている国、日本に沢山輸出している国など、
それぞれの視点で、世界中の国々の、日本との関わりに
興味をもって、調べる計画を立てているようだった。
複数の子どもがかぶる国が、3・4か国はあるものの、
それぞれの発表が楽しみになってくるラインナップである。
まずは図書室に行って、自分の調べたい国についての本を探して、
調べ学習する時間をとったのだが、詳しく書いてある国もあれば、
百科事典にちょこっとしか乗っていない国もあり、それぞれの活動には
早速、進捗状況の差が出始めていた。
「先生、もう少し時間をとって調べさせてほしいです。」
そう言って、お願いする子も一人二人でなく出てきたので、
「では、次の時間から3時間ほどは、パソコン室で調べていきましょう。」
と、告知をすると、図書室の、十年二十年前の外国紹介の本では、
こちらが思っていた以上に悪戦苦闘していた子ども達からは、
「やった!」
という声が、あちこちから聞こえてくる。
そんな流れで次の時間からは、パソコン室での調べ学習になった。
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執筆している現在、2022年の2月には、
コロナ禍の中での学習の機会の確保のために、
一人一台のタブレット端末が配布され、
ICT活用が何歩も進んだ状態の学校環境です。
6の1の物語はそれより以前、今から8年前の話になるので、
何かを調べるときには、パソコン室を事前に取っておいて、
その時間になったら移動してパソコンを起動させて使う。
働いていた自治体の学校での、インターネットを使っての学習は
そのように行われていました。
今回の話は、そのような学習活動が行われてるという条件で、
すすめていきます。
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